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□喧嘩はよしなさい!
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「母さん!」



「なあに?ゆうま君」



「今日俺と一緒に寝よ!」



「へ…!?うん…いいよ?」



「ダメだ!桜乃は俺と寝んの」



「あ…赤也さん!?」



「父さんは引っ込んでろよ」



「あぁ?父親に向かって
 その態度はなんだ」



「別にいいんだし〜」



「ふざけんな!!
 お前は1人で寝てろ!!」



「ヤダね。父さんは昨日も
 母さんと寝てたじゃないか!」



「当たり前だ。桜乃は俺の
 『奥さん』なんだからな!」



「母さんは俺の『母親』
 なんだから一緒に寝る権利
 くらいあるね」



「お前むかつく」



「そっちこそ」




……もうかれこれ1時間
こんな言いあいを続けていた




挙句の果てには『テニスで勝負だ!』
なんてことにもなっている……。




「テニスで勝負ぅ?
 この俺様に勝てるわけねーだろ」



「そんなのやってみなくちゃ
 分からねーじゃねーか!!」



「はっ!無理だね。そんなの
 俺には勝てるわけねーさ」



「いや。勝てる!」



「勝てねぇ」



「勝てる!」



「勝てねぇ」



「勝てる!」





「いいかげんにしなさーい!!!」




……!!




この大きな声に2人はがばっ!と
桜乃のほうを向いた。




「喧嘩するなら私は今日は
 どっちとも一緒に寝ません。
 1人で寝ます」




おやすみ、と言ってさっさと
部屋に戻ってしまった。




「さ…桜乃〜!」「母さん〜!」




取り残された2人は
がっくりと肩を落とししばしフリーズ
してから明日どうやって桜乃の機嫌を
直そうか考えていたのであった…。







【 喧嘩はよしなさい! 】
(お前のせいだからな!)
(いいや。父さんのせいだ!)








→あとがき






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