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□迷子の迷子のお姫様
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それは一瞬の出来事だった――…



誰が予想していただろうか…
こんな展開を―――――…







「うそ…だろ…」






今日は愛しい彼女桜乃と
楽しい楽しいデートをしていた




街中を歩いていたから当然人は
たくさんいるわけで―――…




ふとした瞬間に
手が……離れてしまった……




「桜乃ーー!!」


「赤也さんーー!!」









「ったく…どんだけ人
 多いんだよ!」



「桜乃ー!桜乃ー!」




ああ…どうしていないんだ…


この手さえ離さなければ…




怪我…してねぇかな…
今頃泣いてんじゃねぇだろうか…





「桜乃ー!桜乃ー!桜乃…?」




いたっ!!



あそこにいるのは……
間違いなく桜乃だ!!




200メートル先のところに
ナンパ達に囲まれた小さな少女
がいた。





くっそやろうどもが〜
俺の桜乃に触れてんじゃねぇぞ〜






「おい。てめーら」



「あん?なんだよ兄ちゃん」
「俺らに向かっててめーらとは
 いい度胸してんじゃん?」




「その子になにやった…?」



目に涙をいっぱいためて
小さく震えている桜乃を
指指して言った。





「なにって、この子は俺達の
 女なんだよ!!」



「…は?…」



オンナ…?おんな…?女…?




「ふざけんなあぁぁぁああ!!!」




「桜乃は俺の女だ!!
 てめーら…ただで済むと
 思うなよ?」



赤也の目がどんどん赤く
染まっていく――…



ああ…危ない!と思ったとき…



腕をつかまれた――



ナンパ達の手じゃない
細くてきれいな…


見てなくても分かる
それは、桜乃の手だった…



「赤也…さん…
 やめてください…!!」


「私のために喧嘩は
 やめてください!!」



「さ…桜乃…」



ちくしょー!覚えてやがれ!と
ナンパ達は次々に退散していった








「桜乃!!」


すっかり目がもとに戻った赤也は
さっそく桜乃にこれでもか!と
いうくらいきつくきつく抱きしめた




「あんまり心配させんなよ!」


「赤也さん…。
 ありがとうございます!」


「まじで、あせった…。」





「まぁ…無事だったから
 いいけどさ……」


「ふふ。本当に
 ありがとうございました」









【 迷子の迷子のお姫様 】
(本当に会えてよかった!)
(私もですよ〜)







→あとがき





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