BOOK(2)

□世界中の誰よりも好き
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桜乃は可愛い!世界一可愛い!
そんなこと誰かに言われなくても
桜乃の恋人であるこの俺がいちばん
よく分かってる!!!











………でも………
他の男の目が向けられるのは
少々…いやとっても気に食わない。







だって桜乃は俺の女なんだぜ?
絶対誰にも渡さねえ!!













「竜崎さん。」





「あ、はい?」




「ちょっといいかな?」




「はい」









ほら、また話しかけられてるし。







………ったく…
なんでホイホイついてっちまうんだ












「…あの…俺…竜崎さんのこと
 前からずっと見てました。
 よかったら俺と付き合って
 くれないかな………?」







「あ…ええっと……」







桜乃がなかなか返事を出さない。






(あ〜もう…なにやってんだ!
 さっさと断われよ!!)






「お願いします!」






「…あ…あの……」









(あ〜もう。見てらんねぇ!)








赤也はさっと2人の間に割り込んだ







「告白中悪いねぇ。
 こいつは俺の女なんだ。悪いけど
 あきらめてくんねぇかな?」







「なっ…!お前誰だよ!」







「だから、桜乃の恋人。
 俺は桜乃の彼氏。桜乃は俺の彼女。
 分かったか?」






「分かるわけ…!」








ぞくっ――…







告白していた男に突然悪寒が……









「さっさと帰れって言ってんのが
 聞こえねぇのか…?潰すよ」







赤目をした赤也が目の前に立っていたのだ







「う…うわああああ!!」







男は姿を消し(逃げ)た。














「…あ…あの…赤也さん?」









「……桜乃」








「は…はい!」







赤也の声はとてつもなく低い。
しかも、怒っているようにも聞こえる







……と、次の瞬間









「さぐの〜!!!」







「あ…赤也さん!?」








赤也がいきなり桜乃をぎゅーっと
抱きしめた。








「あーもう!まじ焦った!」







「え…?」







「アンタが…他の男のとこ行っちまうかも
 しれねぇって思ったら……」







子供のようにグズリながら言う赤也を
桜乃は可愛い、と思ってしまった。








「私は…赤也さんがいちばん
 好きです!この気持ちは一生
 変わりません!」







「ほ…本当か!?」








「はい。本当です」









「俺も!世界でいちばん愛してるぜ」







「赤也さんたら…///」








いつまでたっても世界でいちばんのあなた
それは一生変わることはない。















【 世界中の誰よりも好き 】
(他の人を好きになるなんてありえない!)








→あとがき







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