未来という異世界

□街と草原と苦悩
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骨というのは絶対的に魔法を通さない。骨が完全に取れたり、折れたり、無くなったりすると、治癒の魔法が使えないので回復できないので、自己治癒を待つしかない。

あー。なんて面倒な敵なんだ。錬成武器なら攻撃入るんだろうけど、ここに鉄も何もないからな・・・
言った通り、俺は重いのとダサいのが嫌いなので、この真っ赤なローブの下には下着しか身に着けていない。
その場で魔法で生成するために必要ないのだ。

こういう時に召喚士の才能があれば良かったな、と少し思う。
とりあえず、あいつらの剣と弓矢は全部ローブ硬化させれば防げると思うが。

攻撃手段がない。夜行型でしかも目も鼻も無いが、いくらなんでも20m付近を通ったら気配で気づくだろう。出来れば、遠回りはしたくないし・・・
戦闘は避けられないか。

面倒だなー、と思いながらもローブを硬化させ、一気にゆっくりスケルトンたちに近づく。

気持ち悪い骨の擦れる音が聞こえるほどまで近くにやってきた。ぐりぐり、とも言えないなんとも不気味な音。そして、こちらに気付き一斉に敵が構える。
一匹のスケルトンが目の前まで走ってきたのを見計らい、しゃがみこんだ。
魔結晶が嵌められているグローブをした右手を地面に付き、範囲をイメージする。
はっ、と息を吐いた瞬間にがらがら、っと目の前の地面が円形に崩れた。スケルトンたちはなすすべなく下に落ちていく。
地形変動を行い、奴らの足元の土を消失させてみた。
高さはおよそ10メートル。下手すると死なない奴が出てくるが、まぁ今は進むことが最優先だ。
いちいちスケルトンで経験値稼ぎなんかしていられない。

しかも、土は5分後に再生する様にしてある。下手に穴を作っておくと他の旅人とかも困るだろうしな。

さて、とりあえず、先を急ごう。
見渡す限りの草の上、僅かにできたけもの道を白虎の俺は歩いて行った。
久しぶりの大きな街に心躍らせながら。
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