小説2

□右に突っ走る→→→
1ページ/1ページ









 僕はなぜここに居るんだろう。
 生きているの者誰しもふとそんなことを考えたことはないだろうか。

 僕はこれまでいっぱいこの村の為にいろんな奴らを倒してきた。
 そりゃあ…厄介になってるっていう理由もあるけど、ある一定のこの村のヒトが好きだからやっているようなものだね。

「カービィ、何空を見上げてるの?」

 僕もここにきて長い年月がたつ。言葉だってはっきり喋れるし、自分の意思で真面目なところは真面目に、遊んでいい時はよく遊ぶように考える力も身につけた。

「ううん、なんでもないよ」

 僕はフームが好き。

「カービィ、こっち来てサッカーしようぜ!」

 ブンが好き。

「おや、カービィ。元気そうで何よりだね」



 僕は、もう子供じゃないからいまになってわかる。

 僕は、こいつらオトナが嫌いだ。

「…こんにちは、村長さん」

 この愛想笑いをしてもまだ気づかないのか? 僕はお前たち大人はどっか行けと言っていることに。

 昔は知らなかったな。こんな感情。
 僕はいつの間にか汚れてしまった…?
 いつも「子供の言うことだから」と信じず、流行りの事に皆集中してヒトの話も聞かずに結果腐った害虫のようにダメになる。そして都合の良い時だけ僕に助けてくれという。
 醜くて愚かなオトナ。僕はこんなものにずっと上手いよう使われ続けていたんだと考えると今になっても腹が立つ。

「今日も何もない…いい日ですね」
「ホッホッホ。そうですな。最近デデデ大王も何もやらかしませんことじゃし、皆ゆっくりできます。何せ大概はあのお方のせいで皆惑わされるんですからのぉ…。まぁ、その心配も今は無用。皆好き勝手暮らしておりますよ」

 僕は別にデデデの味方に付こうってわけじゃない。でも、お前たちの意見はどうしても間違って聞こえる。
 こんな田舎村だからかもしれないけど、常に何か新しい物を欲している。その策略にまんまと引っかかるお前たちも頭がどうかイかれている。全てをデデデの所為にするのは、こいつらのカス同然のプライドを守っているようにしかどうも聞こえない。

「…? カービィ、どこか体の具合でも悪いのか? 少し震えているぞ?」
「っ…ブン…、大丈夫。別になんでもないよ」
「…本当に平気なの?何か…少し表情が怖い…わ…?」

 この二人は本当に、捻くれ曲がった性格にならなかったことを心より喜んでいる。僕は異星人(この星のヒト達もそうらしいけど)なのに他の奴らよりもずっとよく見ててくれたし、僕を育ててくれた。まるでこんなオトナたちみたいなやつにならなくてよかった。
 しかし、比べてなんだ。なんでこのオトナたちはさも自分が僕を育てたような顔をしているんだ? お前たちが僕にやったことと言えばせいぜい飯と助けを求めたことくらいじゃないか。フームやブンのような行動をしたのを見たことがない。自分だけが助かればそれでいい。そう考えたろくでなしばかりが集う…。

 こんな村。僕の力で潰せる。それだけの力はきっとあるはずだ。…でも。やれない。やらない。僕はフームとブンに感謝している。彼らの望むことは叶えたいつもりだ。そして結果は、「この村の人達をいつまでも守ってほしい」って。
 フームとブンは優しいね。やっぱり…僕の心はすでにドロドロに汚れちゃったのかもしれないなァ…。

 そんな村で僕は結構この村のオトナを憎んでいるけど、例外もいるよ。

「あ、メタナイト卿」
「(このヒトやっぱりカービィが行くところ行くところ比較的に現れるよな…こわっ)どうしたんだ。カービィと剣の稽古なら間に合ってるぜ。だって今からカービィとサッカーの約束しちゃったもんね〜だ」
「いや…今日はそう言った内容で来たわけじゃない。…少し借りてもいいか?」

 物扱いか…なめんなちきしょー…。

 他のオトナと違ってこのメタナイト卿は断トツで好きだ。べ、別に恋愛感情で好きってわけじゃないよ! 本当だからね!
 でも、このヒトの前だとよく舞い上がるような嬉しい気持ちになる。

「うーん…私はいいけど…カービィに許可とらなくちゃ…ね?」
「…ん、そうだな。カービィ、少し…いいか?」

 辺りにいた他の大人たちはもう居らず、そこにいるのは大人になりかけのフームとブンとまだ生きて間もない僕と手を出すメタナイトがいた。

 …ここからの景色はなかなかの見物だったよ


 僕は差し出された手を取り、導かれるままに丘の下を下って行った。






 

 なんだか思春期の少年少女の心情ような感じになった。これってメタカビ…か?それっぽい感じも出てるし…いいのか?な?
 …流石1時間半クオリティ!ダメだぜ!とっぽいぜ!ニートだぜ!



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]