小説2

□自作自演の彼らは愚か
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※企画リク マルカビ R-18






 僕はみんなを同様に扱う。

 悪い奴に関してはそれまでの自分の過ちを構成してちゃんと生きていくことを決めた。そんなヒトには普通のヒトより優しく扱うように心がけるようになった。

「はい、これでいい?」
「悪いね、カービィ。傷の手当なんてしてもらっちゃってサ」

 マルクは元々悪い奴だったけど、話を聞くにはみんなと仲良くしたかっただけと言っていた。僕はその言葉を信じて少し用心深くはしていたけれど、次第に仲よくするようにはなった。

「それにしてもマルク、なんだか最近けがばっかりするね。僕じゃなくてこう…設備とかがちゃんと整ったお医者さんとかに行けばいいのに」
「…いや、僕はよく知ったカービィじゃないと嫌なのサ。どうせこの村の奴はまだ僕が悪人やってるもんだと勘違いしているだろうし、何よりその医者を怖がらせたくないし…ね♪」
「そっか。…でも、あんまり無茶ばかりしないようにね。今週マルクがこうやって僕に包帯を巻くように言ってきたのは4回目だし…」
「へ? …ハハハ、ま、まぁネ…。
 それより、今週は日曜日だネ。
 …いいよね? 今日」

 マルクは潤っぽい目つきで僕を触ってくる。
 僕が俯きながら承諾する。拒否することはできない。
 それは半月ほど前に交わした約束が原因だった。

『僕と日曜日に………毎週してくれたら僕良い子にしていてあげる。それくらいいいでしょ?』

 その言葉はきっと契約か何かのようにも見えた。もしも僕がその日曜日に反逆すれば「悪さ」をすることになり、誰かを傷つけるかもしれない。僕は承諾してしまった。それ以来日曜日になると体を重ねるようになった。

「…じゃ、今日はどこがいいかなぁ」

 マルクはにやにや笑いながら僕をちらちら見る。包帯から血が少し滲んでいる。

 そういえば、マルクと「契約」をして以来、マルクは怪我をする機会も多くなった…様な気がする。そのおかげでみんなと遊ぶ機会も減って来たし、マルクと話をしているからという理由でみんなが僕を避けるようになった。僕にはそれが悲しくて仕方がないのに、マルクはいつも他人ごとのように笑っていた。

「じゃ、カービィの家でもいいかな? いいよね、カービぃ?」

 いちいちそんな風に聞かなくてもわかっているくせに。僕は承諾することしかできない。
 僕は小さな声でうんと呟いた。





 マルクはいつからか日常では「〜なのサ」と使わないようにしていた。彼曰く「みんなにトラウマを与えないようにしたい」という意味の分からない理由だった。ただ、ある一定の空間(僕の家とか、誰もいない部屋とか)だと、口癖は発動する。よくわからないけど、いったい何を意味しているのか僕には分からなかった。

 家の中でボーっとしていると、ドアをノックする音がした。
 僕はあまり扉を開けたいという気持ちが進まなかった。マルクは喜怒哀楽が激しく、怒っているときはボクが痛いと泣き叫んでも止まらない鬼畜めいた感じになるし、楽しそう(もとい喜ぶ)にしていると変な玩具を持ってきて僕にそれを使う。少ししょぼくれいていたりすればその日はことに及ばないがずっと愚痴を聞かされて必ず寝不足状態になり、気分が悪くなる。唯一頼れるのは普通の時…だろうか。でもこういうのを比較するとすれば喜:怒:哀:楽でいえば3:4:2:1といった感じでめったにない。
 ちなみに先週はかなり怒っていた。

「かーびー。あーけてー」

 僕が扉を開けないものだから向こうから声がかかる。

(いやだな…)

 頭の中で抵抗するけど手を伸ばさないと村の人達が大変な目に合う。覚悟を決めて扉を開ける。
 …残念だ。

「カービィ、こんばんわ、なのサ!」

 にんまり笑顔の道化師はボクが扉を開けるなりぬっと顔をのめり出してきた。

 今日は凄く機嫌がいいみたいだ…。

「やぁ…早かったね」
「君が言うのならそうだろうね。さぁ、やろっか♪」

 羽からきらびやかな装飾を揺らしながら僕をその鋭いカギヅメで掴む。僕をものみたいに投げてベッドの上に転がった。隙もなく上から逃げられないように覆いかぶさってきた。

「ンむ…っ」

 マルクは僕の口を齧(かじ)るようにキスをしてきた。やたら細くてにゅるにゅる動く彼の舌はいつも気持ち悪い。
 抵抗すれば機嫌を損ねてしまう。ご機嫌取りのような行動をしながらマルクが怒らないように慎重にする。
 片目をうっすら開ける。随分楽しそうで、僕の気持ちなんてお構いなしのようだ。口の中の粘液をべろべろとなめとり、隅々までなめとろうとする。たまにその蛇みたいな舌で喉彦をグンと掴み、おもちゃのように引っ張る。そのたびにいつも嘔吐してしまい、マルクはケラケラ笑ってみせる。
 だけど今日は運よくそんなことをされずに済んだ。彼の唾液が僕の口内にたくさん広がり、息をするのにも一苦労だ。

「はーい、じゃあコレをお口に入れてちょーよ♪」
「っ…ぐむっぅ・・・?!」

 酸素が全く脳にまで行き渡っていないというのにマルクはグロテスクな程大きなそれを無理やり口の中に押し込んできた。マルクは二ヘラと笑いながら僕の体をそのカギ爪で掴んで逃げられないようにする。今日つけたばかりの包帯がひらひらと垂れ、今にも包帯がそこから落ちてしまいそうだった。

「はぁぁっあ♡ ちゃんとナメナメするのサ!かぁびぃ〜♡」
「ぐっ・・・ぶぇっ・・・!!」

 僕が苦しそうな声を出しても知らんぷりをして行為を続行したままのマルクに少し恐怖心が芽生えてきた。どうせマルクは僕をこんな処理のために使ってる。
 
 あー

 たぶんあれだ。僕はマルクのけがを治してあげる。話し相手をする。こんな処理をする。
 なんて言うんだろう。何処かの水商売をやっているみたいな気分になってしまう。

「っぁひゃあああああああっどうしよおっぉっぉ♡ カービィのお口の中温かくてェ♡ ぬりゅぬりゅで僕のおちんぽとけちゃいそぉだぁあ♡!!」
「んんっぷぁ・・っ・!!」

 タイミングのよさ気なところで息を吸おうと試みる。しかし、二回は息を吸えたものの、三回目にタイミングが外れて咥えているマルクのモノを強く吸った。喉の奥に苦い汁が入ってきて、思わず吐き気がした。

「んぁああ゛ぁああ゛ぁあぁ゛あ゛あぁあ゛あ゛ぁあぁあ゛あぁぁぁ゛あ゛あ♡♡♡!!!! でるぅぅぅっ!! あ、熱いのがぁ♡ かーびぃぃっはぅあぅぅぅぅうううっ♡♡♡♡」

 さらにがっちりと体を掴まれ、さらに逃げられないようにされた。元々扱ったマルクの自身がさらに熱くなり、口の中いっぱいに放出された。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!」

 こっちは息もままならないのに、口の中にこんな苦いものを出されて…。
 マルクの顔をちらっと見ると、やたらにやにやとしくさってこの口内の液を飲まないと放しそうになかった。

 喉の奥にどろどろが伝う。口の中にあるはずなのに青臭いにおいがっして、ずっと気持ちが悪かった。
 明らかに体によさそうではないものを飲み込まないといけないのにはずっと抵抗があった。だけど、仕方がない。固く目をつむり、ごくっと飲んだ。口の中がまだ粘っこい。マルクはようやく僕を開放して、うっすら白い粘液が付着したままの棒を離した。

「ハァ・・・。カービィったら。やれば出来るじゃないのサ♪ いつもはこんなに吸ってくれないっていうのに。僕ってばついつい絶叫しちゃったよ。
 クフフ、もしかしたら近所の人にも聞こえちゃったかなぁ? 君の名前も入れちゃったからねェ。この村って小さいじゃない? だから君の噂もすぐに広がっちゃうと思うのサ。あ、でも大丈夫なのサ! もし誰も君の相手をしてくれなくなっても僕がついてるのサ。クスクス」

 あ〜あ。色んな意味で終わっちゃったかな。僕。
 一生マルクの相手をするなんて御免だと思ったけど…仕方ないよね。

 これもみんなを守るためだもん。
 仕方ない。
 
 口の中に苦い味がまだ残っている。 









 ミュンヒハウゼン症候群を意識しながら書いたつもりです。
 えろくないですごめんなさい

☆参考元:ミュンヒハウゼン症候群wiki



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