小説2

□大きな木の下で。永遠にあなたと私、仲よく遊びましょう。…大きな木の下で、広い大地の下で。私と二人きり、仲良く過ごしましょう
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 今日も僕の誕生日。
 毎日僕の誕生日。

 僕は欲しいものがいっぱいあった。みんなにお願いすると、初めは嫌そうにしてたけど、あっけなくくれた。

 僕のコレクションはまだまだ増える。これからも増える。

 今日はもう決まってる。リボンちゃんを貰うつもりなんだ。リボンちゃんはわかりやすいくらい僕のことが好きなのを知っていたから、すぐに僕のモノになってくれたよ。

 そうだね。今、その真っ最中なんだ。

「…カーくん。リボンちゃんばかり相手しないで早く…あたしを…」
「分かってるよ。次はアドレーヌの番だったね。もうちょっと待っててね」
「…はぁっ…早くして…。あたし、カーくんにあんなことされると思うと…コーフンして……」

 アドレーヌはリボンちゃんと僕がこんなことをしているのを見て喜んでいる。次は自分の番なんだと期待しているからだろう。右手を股座にやってその光景を舐めるように見ていた。

 ろうそく一本。この空間にはそれしかない。ほのかに照らす火は僕とリボンちゃんがよく見える。

 ゴッ

「ぁ゛あ…ぅ・・・っ!」
「…リボンちゃん。痛いんでしょ? もうやめようか?」
「や…やだよ…、ここまで来たら…もう…カービィに全部貰ってもらわなきゃ…ね?」
「本当にいいの?」
「…ほかのみんなと同じように、わたしを貰って。わたしを見てて」

 リボンちゃんはちょっと涙をためながら僕に懇願してきた。本当にありがとう。僕のモノになってくれるなんてとっても嬉しいよ。





 僕は五寸釘をリボンちゃんの心臓に打ち付けた。





 これで11人。また増えた。

 最初のコレクションはワドルディ…だったかな。もう姿が崩れちゃってわかんない。

「デデデにチュチュにマルクにシャドーダークワドルドゥドロシア…」

 みんなみんな僕のモノ…。

「待たせたね。アド」

 アドが座る方を振り向くと、涎を垂らしながらにやりと笑う姿があった。

「カーくん・・・まってたよぉ・・・」

 アドレーヌはうつろな目でふらふらと歩きだし、壁にぴったり背を当て大の字に腕を広げた。

「さ、思い切りぶち込んで」

 アドレーヌは相変わらずうつろな目で笑っていた。

 僕はお構いなく、五寸釘を取り出した。大きな金槌。これを使えばみんなに釘を刺して打ち付けたとき一回だけで終わる。あまりいたくないようにさせたいからね。

 先のとがった五寸釘の先を、アドレーヌの手首に当てた。手首を刺すのは痛いだろうな。こんな理不尽なことを言うのもなんだが僕なら嫌だもん。
 手首の神経を打ち抜けば手首は上がらなくなり、指は動かなくなって僕から逃げることは出来なくなる。筋肉も太いこの五寸釘が打ち抜かれるから痛みはなおさらだろう。
 手首が麻痺して動かなくなるからまずアドレーヌみたいに力のない子は自力で外すことはできない。それ以前に既に釘は壁を貫いていて、しかものこ五寸釘は返しがついていて外そうとすればまだ傷ついていない肉にまで傷つけて痛い。しかも腕だけだから死ぬことなんてできない。痛いのからはもう逃れることはできない。
 骨もつらぬくことになるからね。骨の中にも神経が通っていて動けばとても痛い。骨を折ったことがある人はよくわかるでしょう? 凄く、凄く痛いんだ。

「じゃあ、いいね?」
「カーくん」
「ん?」
「お誕生日、おめでとう!」

 笑顔で言われた。


 その言葉、昨日も誰かに言われたっけなぁ…。

「ありがとう」

 僕はアドレーヌの手首に釘を打った。

「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?!!!!!!!!!!!! あ”あああああああああ”ぁ”ぁあああぁあぁああぁぁあぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 さっきのうつろな瞳からは一転、瞳孔が開き絶叫に悶えていた。まだ打ち付けていない左手を動かして釘を掴んで取ろうとしている。でも、釘は大分深く突き刺さっているのかびくともしなかった。

「かっ…カーくん‥! 次…次も…!!」

 アドレーヌは釘が抜けないことを知り、この痛みがあるうちにと左腕を壁を殴るようにうちつけた。拳を作って我慢しようとしているみたいだ。手首の筋が五寸釘の先にあたる。バカだなぁ…力を抜いている方が痛くないっていうのに。
 だけど僕はその情報を伝えず、五寸釘を叩いた。血が飛び散って部屋の床を血浸しにする。
 絶叫する声は既に声になっていなかった。

「痛いの? 止める?」

 ここまで来たら嫌だっていう人はいない。こんな中途半端な痛みがずっと手首を伝うんだ。ピアスみたいに細い穴でも痛がるのに
こんな幅1.5センチもあるような釘を耐えていること自体凄い事だよね。

「ァ゛…や…カーくんのモノに…なりたいから…最後まで…」

 僕は無言でうなづいた。

 足はアキレス腱っていうのがある。これを切っちゃえばアドレーヌは歩くことが一笑できない。僕が淋しくなることはない。

 これももちろん骨を砕くことのなっちゃうからとてもとても痛い。



 左足に釘を打ちつけると魚みたく胴をびたんびたんと壁に腰を打ちつけていた。すかさず暴れていないもう片方の足にも打ち付けた。

 アドレーヌは大人しくなった。今季で一番厄介だったのはアドレーヌかもしれないなぁ。

「ぁぁぁ・・・か、カーくん・・・」

 アドレーヌが何かを言っている。何? どうしたの?

「も、もしあたしが…死んじゃっても…毎日…来てね? ねぇ、約束…してね…一人きりにしないでね…?」

 最後は心臓を打ちつけておしまいだ。

「心配ないよ。ここにはみんなもいるんだ。アドは一人になることもないし、僕は毎日ここにいるよ」

 僕のことを考えたまま終わらせるように心臓に釘を当てて金槌を振りかぶる。

「…大好きよ、カービィ」





 これで12人。

 そろそろ部屋も埋まってきた。残るはあと一人、あと一人、欲しいヒトがいる。
 それでコンプリート。僕のコレクション集めは終わる。誕生日のプレゼントはそれが最後。

「あと一人…」

 メタナイト…最後に君が欲しいなぁ。

 くれるかな。いいよね? だって今日はとっても素敵な日。明日も僕の誕生日。

 プレゼントをくれないわけがないよね?







どうしてタイトルこれにしたのかなぁ…。

カーくん・・・オッサンだね…


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