小説

□僕の憧れ
1ページ/1ページ




※1000hitキリリク マリオ×キノピオとかおもしろそう





 僕はピノキオ!ピーチ姫にお仕えしている者です。
 ピーチ姫はよくクッパにさらわれてしまい、そのたびにマリオさんが助けに行きます。(ピーチ姫は美しいですから、仕方ないと思いますが…
 ※亀何時までもしつこいしストーカーやろ)

 今日はそんな僕の憧れであり、大好きなマリオさんと僕のお話をします。



 今日、僕は突然お城から消えたルイージさんを探索しに城外に冒険に行くことをピーチ姫より直々に命令された。

「…と、言うわけで私はマリオに助けていただきましたが、どうも城に帰って以来マリオの弟のルイージを見かけません。
 そこで、私はマリオとピノキオにルイージを捜してきていただきたいのです。よろしいでしょうか?」
「俺はいつでもいいですよ。それにしてもあのアンポンタン。何処ほっつき歩いてるんだか」

 なんということでしょう!僕が憧れのマリオさんと一緒に冒険できるなんて!

「あ、そうですわ。ピノキオに了承を伺うのを忘れてましたわ。ピノキオ、あな「僕行きます!行きたいです!マリオさんの助手を頑張って努めて見せます!」

 ピーチ姫は僕の返答を不思議そうに受け止めて「そ、そう?」と呟いた。

 そういうことで、僕はマリオさんと僕冒険に出ます!





 ――現実は相当厳しかった。――

 僕は何故かザラザラ砂漠という死にそうなほど暑くて喉がカラカラになる砂漠にいました。

「あ、あの…、マリオさん。ルイージさんは本当にこんなところにいるんですか?」
「カロンがそう言ってたんだ。デレデレ屋敷の中からルイージみたいな変な叫び声が聞こえたってな」

 デレデレ屋敷、あそこは確か一度入れば二度と出ては来られないことで有名な所。…何時、何処に現れるのか全く分からず、別名『幽霊屋敷』と言われています。

「あそこは主にカップルやデートをしに来た方達が遭遇する確率が高いみたいです。が…。僕たちは男なので…無理ですね」

 片手で頭を撫でながら僕はちょっと照れる。
 マリオさんはいや…と呟きながら僕の手を取った。

「手を繋いどけば傍らから見たらカップルチックに見えるだろ。(多分…)よし、キノピオ、俺に少し寄り添っていてくれるか?」

 僕は驚いて干し椎茸になりそうな勢いで顔を真っ赤にさせた。反面、マリオさんは平然としていてこれっぽっちも恥ずかしそうにしてなかった。少し残念…。
 僕は太陽がギラギラ照らしていても構わずマリオさんにくっついた。片手にマリオさん、横にピッタリ居るのもマリオさん。幸せな気分になり、ルイージさんなんて全く忘れ、そのままデート気分で歩いていました。

(アツい…、どうせならクリボー山脈(寒い山)でなら暖かくてよかっただろうな〜…)
(これ以上の幸せなんてないでしょうね…♪)

 互いにすれ違った思い思いを交差させながら僕達二人は前に前にと果てしなく続く砂漠を練り歩き続けた。


*


 俺達は悪戯が大好きな性格が全く似てない三つ子、臆病者のデレルと好奇心旺盛(俺)なデレタと長男のデレロ。嫌いなモノはカップルとアベック!
 俺たちの見せる怪奇の屋敷は長男のデレロが指揮してるんだぜ。

「ねぇ…、そろそろ緑の髭(エサ)を解放しない?絶対ピーチ姫来ないって…」
「バッキャロー!デレル、お前だぁれのおかげでこう毎晩飯が食えてんのか分かってんのかあぁあ?」
「ひっ、デレロのおか…」
「シャあァアラァップァアッ!違うだろぉが!クッパのヤローだろ!」
「デレロ、うっさいのはお前の方だよ。しかも何で唐突に飯の話を…。それより、ピーチ姫はいないけどマリオがこの砂漠に来ているぜ」
「何だと?」

 デレロは屋敷にあるマリオとキノコを映した水晶を覗き込んだ。

「なんだこいつ?どう見てもオスの方じゃねぇか。ホモだったのか?ピーチ姫の下部ってよぉ…」
「もしかしたらキノピコとかいうメスの下部がオスになりすまして来たって言うのもあるぜ」
「成る程…な」

 デレロは少し考えた風にして、暫くした後口角を緩めた。――と同時に俺は計り知れない期待感に襲われた。

「奴らをここにご招待してやれ。…たぁっぷり歓迎してやる」

 デレルは苦笑いしながら「了解」とだけ呟き奥の部屋に行った。俺は自前のスカーフを巻き、歓迎の準備に取りかかった


*


 喜ばしい光景です。
 なんと目の前に噂に聞いた幽霊屋敷が忽然とあったのです。これには僕たち二人は驚愕して暫く口を開けてポカンとしていました。

「まさか俺の作戦が引っかかるとは…。バカだな、ここの奴ら…」
「マリオさん、行きましょう!デレデレ屋敷、突破して見せましょう!」

 僕は心から自信のある宣言をマリオさんにして、繋いでいる手を再び繋ぎ合わせた。

(…さっきまでのお城のキノピオは何処に行った…?)

 マリオさんはどうも僕に対して不信感を少し抱いてるみたくな素振りをさり気なく見せて僕の手を振り払い、先に屋敷の中に入っていきました。

「あっ、マリオさん!待って下さい」


*


 一方、俺たち三人はある一定の位置に待機して悪戯を仕掛けていた。

「やっぱり止めようよ〜…」
「デレル、デレロに逆らうと面倒だからここは逆らわず実行した方がいいぜ。後、俺の楽しみも取んじゃねぇよ」
「ごっ…ゴメンナサイ…」

 内心でウジウジしたこんな臆病者の妹に舌打ちをした。
 扉の開く音と足音が微かに聞こえた。デレロが指定位置に移動しているのを見て腹の苛立ちをかき消した。

「デモさ、イーじゃん?デレルの仕事って…」
「う、うん…でも、そんなデレロこそ…」

「マリオさん、待って下さいぃ〜…」
「「!!」」

 俺とデレルは物陰に隠れてキノコと髭を観察した。あ、因みに俺たち三兄弟は恥ずかしがることなく顔を出すことが出来る最強のテレサなんだぜ。

「何だ、怖いんなら帰ってもいいぞ。元々、キノピオには全く関係ないし…」
「こっ…怖くなんかありません!ピーチ姫に命令されてここに来たんですよ、ルイージさんを助けず帰るなんて、僕には出来ません」

 成る程、こいつ等緑の髭を助けに来たのか。
 あと一歩二歩、二人が歩いた処で、デレロは赤いレバーを引いた。途端に上からトゲゾーの針のみが落ちてきた。

「デレタ!マリオを緑の髭同様地下牢に閉じこめる準備をしろ!これでクッパも喜んで俺達に給料を払うだろう」

 俺は返事をせず、その場から離れなかった。デレロは気づいた様子もなく、次々とレバーを引いて嫌がらせや刺客を送る。

「デレタ?行かないの?」
「いや、だって…これ以上面白い見物はないだろ?それに…」

 ――メインディッシュが見たいんだよ。

*


「マリオさん、数が多すぎます。一旦引きましょう!」

 クリボーやノコノコが数え切れない量で襲ってくる。見る限りマリオさんは敵に手を焼いているようにしか見えない。

「いや――ここで手を引いたら相手だって容赦はしないはずだ。狙った隙にこっちが倒されるだけだし、ここは突っ込んでいくしかない!」

 僕はマリオさんを信じて少しずつだけど敵の数を徐々に減らしていった。…そしてとうとう、残り数はゼロとなった。
 度々聞こえたあの指示する声…。ここには人が居るのでしょうか?

「チィッ!使いもんになんねぇ…。よぉし、最終手段だ。デレル、やっちまえ!…何してやがんだ!早く!!」
「わっ…分かったから、怒らないで…」
「デレル、さっさとしろよ」

 屋敷内を反乱射する怒声の後に今にも泣き出しそうなほどか細い声、長い間待ちわびたような含み笑いの混じった声が聞こえた。この屋敷には最低三人の人物が居ることを悟った。
 えいっという声とともに何かピンクめいたミスト状のモノがまき散らされているように見え、僕は鼻と口を押さえた。甘い香りが小さな隙間から入り込んで少し香る。
 でも僕は必死に吸わないようぎゅっと息が止まって死んでしまうくらい押さえた。

「…あ、デレロ、カラになったわ」
「そうか。さて、どーなるかな?」
「わくわくするなぁ…」

 流石に僕は何ともなかったみたいで、少量では効かない何かということが分かった。でも、一方のマリオさんはこれに気づいていたんでしょうか?

「マリオさん、大丈夫ですか?!」
「あ、デレロ。アイツ吸い込んでないのかな?何ともないみたいだぜ!」
「つって言われてももう空っぽだっていうしな…」
「…デレロ、デレタ!ちょっと退いて!」

 女の子らしいテレサがカメラを片手に二人の間を割って入った。さっきまでかなり頼りない声を出していたというのに…どうしたんでしょう。
 横でふらっと陰が動いた。マリオさんらしい。名前を呼ぼうかと思った瞬間でした。
 何故か不思議なことに、僕に後ろから抱きついて来たのです。

「わっゃぁっ?!マッマリオさっ…ちょっ…???!」

 僕はワケが分からなくなるくらい顔を真っ赤にしてマリオさんの腕の中でじたばたした。
 ――様子がおかしい。
 とは思ったけれど、何というか、幸せを感じる。乙女のように心臓を高鳴らせ、抵抗なんてせず、そのまま勢いに乗せられて受け入れてしまいそうになる。

「こりゃあビックリした…。まさかあのマリオがこの"メロメロスプレー"に簡単にかかるとは思いもよらなかったぜ。…さぁ、マリオさんよォ…。勝手に好きなようにしな」
「!? おい、デレロ、お前見ていかないのかよォ?」
「ああ、ヤダね。同性愛なんざ興味ねぇからな。ま、デレルに暫し付き合ってやってくれ。アイツ、なんか初めて素を表したな…」
「いいっ!凄くいいよ!ハァハァ…もっとやれ…」
「そいえばこれ…一週間くらい効きっぱなしなんだよな?」

 ったく、とリーダーらしい陰が向こうに消える。と同時に僕は我に返り、手を払おうとする。でも、流石はマリオさんだけあって力の格が違う。途端に足がもつれ、仰向けになり僕は背中から倒れた。
 床に背中から落ちたと同時にカメラのシャッター音の数も少し増える。フラッシュライトの光の間に間に急激に寒気を覚える光景を見た。オーバーオールを脱いでいる光景。途端気味が悪くなってきた。

「ママママッ!マリオさん!お気を確かに、あの、あ」
「キノピオ」
「マ、マリオさ」
「やらないか」

 その後の記憶ははっきりとは覚えていませんが、ただ二人のテレサがマリオさんを煽るような言葉を延々と吐いていたのを微かに覚えています。
 僕は解放された後日、マリオさんとは一切顔を合わさないようにと辞めて田舎に帰りました。





おまけ

「にぃさ〜ん!早く来てぇ〜〜!!(泣)」










纏まりのないお話でごめんなさいorz

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]