黒髪の魔女姫
□壱話-入学式準備
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『やれやれ…これで終わりだな』
私はそう言いつつ、杖を一振りした。
壁にかける飾りが、ぐんぐん上に上がっていく。
引っかける所にかけ、私は息をついた。
「Ms.ポッター。終わりましたか?」
後ろから声がしたので振り向けば、恩師が立っていた。
『大丈夫ですよ、ミネルバ。それと…私はもう生徒では無いのですから、いい加減名前を呼んでください』
「ごめんなさいね、シェリー。どうしても、まだ生徒の時の様に話してしまうのですよ…。出来るだけ、名前で呼ぶようにしますね」
そのような悲しい顔をされては、こちらが参ってしまう。
『…別に…ミネルバの好きな様に呼んでくれて構いませんが……』
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