Song

□僕の存在
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仕事から帰ってきてソファーに座った途端携帯がなった


〜♪



「誰だろ…?」




携帯を開いてメールの受信BOXを見ると


そこには愛しい人の名前




でも何かが変だった






――――――――――――――――――――――――― To:なまえ
Sub:無題
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智、もういや…

-END-
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「なまえ…?」




いつもおいらといる時は弱音なんか吐かないし



そんな事言わない



嫌な予感しかしなかった







思いがけないメールで




急いで君の元へ駆けつけた




真夜中の空は



さっきまで振ってなかった雨が降っていて



傘を畳む時、頬をつたった



なまえの部屋の番号の前まできて



チャイムを鳴らす






ピンポーン





『…はい』

「なまえ?おいらだよ」

『智…?』

「うん」




君の声はすごく枯れていた




ガチャっと開く音と共になまえが顔を出す





なまえの悲しい瞳に映ってるのは





なまえと彼の思い出






だからすぐ分かった





…かずと別れたんだって





『ごめんね?急に変なメールしちゃって…』

「ううん、おいらは大丈夫」

『ありがとう、とりあえず入って?』




そう言っておいらを中に通してくれた








『はい』

「ん、ありがとう」




二人分の飲み物を机に置く






ふとなまえを見ると




今にも泣きそうな顔をして



気力ないように見えた




そんな顔するなら



おいらにぶつけるように 泣いていいのに







「なまえ、大丈夫…?」

『う、ん…、


……かずはさあたしの何がいけなかったのかな?』

「え?」

『こんなに好きだったのあたしだけだったのかな?



それだったら辛いよ…』





手に取るように分かる痛み













“智ー”

“ん?”

“んふふー♪”

“なんか、かずみたい”

“だってかずのマネしてるんだもん!似てる?”

“うん似てるー”

“でしょー♪”






かずのしぐさ 口癖なんかを真似しては





はしゃいでいたなまえ





おいらはその笑顔がいい





「なまえ」

『?』

「もう溜め込まなくていいから好きなだけ泣いて愚痴っていいよ?」

『っさ、とし…』




その瞬間



溜め込んでたものが溢れるように



泣きじゃくったなまえ




なまえをそっと抱き寄せて優しくポンポンと背中を叩いてあげる




かずの壁は厚いのは知ってるし





君の理想像にはそぐわないんだけど




今夜だけは ずっと そばにいるって決めた




でも




きっと それだけじゃ 満たされないだろうけど



ただ なまえの安らげる場所でありたい





『…智、』

「ん?」

『ありがと、ね…、やっぱ親友は頼りになるよ』

「…うん」







「君を守りたい 幸せにしたい」


ただこうやって



話聞いて 背中をさすってやることしかできないから




そんなこと出来る訳でもないんだけど




それでもね



君は



僕にとって




大切で





ただ 今夜だけは





「そばにいるから」





の存在



End。。。

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