Song

□愛を叫べ
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空が青く広く澄み渡ってる今日




俺たちが出会ったのもこんな空だった気がする。






雅「しょーちゃーん!!みんなでなまえのとこ行こー!」




俺が空見ながらそんなこと思ってたら相葉ちゃんが俺のことを呼んでた。





翔「おう!今行く!」





みんなで君の所へと向かった。






相葉ちゃんが式場の人になまえと会いたいことを言うと通してくれた。





『あ!みんな!!』




俺たちに気づいて振り返る真っ白なウェディングドレスをまとった君




思えば長い付き合いだけど、今日は世界中の誰よりも綺麗だと思った。




それぐらいすごく似合ってる。




雅「わー!なまえ似合ってるね!」



『ありがとう雅紀!』



和「馬子にも衣装ですな」



『和、ひどくない!?』




智「にのの照れ隠しだから気にしなくていいぞ」



『そーだね、智笑』




俺も何か言わなきゃって思ってたらなまえと目が合った。



翔「その、似合ってるじゃん」



『ふふふ、翔は相変わらずだなぁ笑
でもありがとう』




ふわっと笑う君




俺は君のその笑顔が好きだった。






なまえと出会ったのは俺たちが高校の時、デビュー仕立ての時だった。





デビューしてメイクさんにヘアメイクをしてもらうようになった。




あの頃の俺たちはメイクなんかしなくたってかっこいい、って思ってた。



メイクのけいさんには悪いけどそう思ってたんだ。




でもそれは1人の女の子に覆された。





“「みんな今日娘連れてきたんだけど部屋に入れてもいい?」”



“潤「けいさん娘さんいたんだ?」”



“「そーなのよ、みんなと同じぐらいの歳なの。邪魔とかしないと思うから」”




“雅「俺たちはいいよ!ね?」”




“和「うん、別に構わないです」”




“「よかったー!ほら、なまえ入って」”




そう言って入ってきた君は制服に身をまとっていて黒くて長い髪が印象的だった。




“「娘のなまえ。よろしくね」”



けいさんが紹介するとぺこっと下げたけどちょっとムスッとしてた。




“翔「よろしく」”




俺がそう言うと口を開いてこう言った。





“『…あんた達なんてママにヘアメイクしてもらわなきゃかっこよくないわよ!』”





もちろん俺たちは唖然としてしまった。





“潤「おい、それどーゆう意味だよ」”




“『そのまんまの意味よ、あんた達みたいにヘアメイクしなくてもかっこいいって思い込んでるのが一番いやなのよ!』”




“翔「なんだよ、それ」”




“「ちょっと!なまえ何言ってんの!みんなごめんなさいね!」”




なまえとの出会いはお互い最悪だった。




俺たちはヘアメイクしなくたって、って思ってたしなまえはなまえでお母さんであるけいさんの仕事を誇りに思った。




今思えば若さゆえの意地を張ってたんだと思う。





それから俺たちの関係はそのままで相葉ちゃんとかは話したりしてた。



そんなある時、なまえが楽屋に入ってきた。




楽屋にいるのは俺だけ。




空気が重く耐えきれなくなった俺は楽屋を出ようとした。




“『あ、ちょっと待って』”



“翔「え?」”




まさか引き止められると思わなくて間抜けな声が出た。




引き止めたなまえは俺の前に来てじーっと見る。



“『最近ちゃんと寝てないでしょ?』”




“翔「え?あぁ、最近忙しいんだよ」”




“『ちょっとここ座って』”



確かに最近雑誌やらテレビやらで忙しいのは事実。でも何で分かんの?




そんなこと思いながらされるがまま目の下に何か塗られてく。




“『隈、出来てたよ。アイドルがそんな顔で出れないでしょ?』”



隈が出来てたなんて気付かなかった。



“『…この間はごめんなさい』”



“「え?」”



“『生意気なこと言って。でもね、もしこうやって何もしないまま櫻井くんがテレビに出たらファンの子は心配するだろうし世間の人から不健康そうだって思われちゃうかもしれない。大袈裟だけどね?でもそれぐらいメイクって大事なの。それを分かって欲しかったの』”



なまえのヘアメイクに対する熱意がすごくて尊敬した。俺の周りにはこんなにも支えてくれる人がいるんだって気づいた。




“「いや、俺もごめん。何も分かってなかったし悪かった。…助かったよ、ありがとう」”



“『どういたしまして』”




そうふわっと笑ったなまえにドキっとした。



綺麗に笑う人だって思った。





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