Song

□今日の誓い
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“『二宮さん!甘いの摂取した方がいいですよ』”


“「え?あぁ、ありがとう」”


“『いえ!お力になれれば嬉しいです』”



そう言ってニコって笑った君。


俺の手にはミルクたっぷりのカフェラテ。


君はまだ駆け出しのADではじめて俺に言葉をくれた時、突然すぎて上手く言えなくて…


でもこれを機に君はいつもカフェラテをくれてお互いのこと話す仲になっていつの間にか誰より優しい君の笑顔を好きになってた。



『かず、何ニヤニヤしてるの?』


そう言って俺の顔見るなまえ。



「ニヤニヤしてないわ」


『うわぁ自覚ないんだー』


「うるさいよ、お子様」


『お子様じゃないし!そしたらかずはおじさんだね』


「そんなおじさんを好きになったのは誰でしたっけー?」


『……あたしです』


「んふふ。(まぁ、俺もだけど)昔のこと思い出してたの、出会った時のこと」


『あぁ!あたしがカフェラテあげた時でしょ?あの時のかず、顔疲れてたもんね』


「あの時は仕事めっちゃあったんだよ」


『知ってる笑。だからこの人に糖分あげなきゃって思ったんだよ』



そう言って笑ったなまえの笑顔はあの時のままで変わらずに好きだなって思った。




「そーいや、なまえが泣いた時もあったよね」


『え?あったっけ?』


「あったって笑」



なまえと仲良くなってから数日後、空き部屋で泣いてる声が聞こえたと思ったらなまえの姿だった。



“「なまえちゃん?」”


“『あ、にのさん…。ごめんなさい、お見苦しいとこ見せてしまって』”


“「なんかあった?」”


“『…先輩に、女だからお前はこの仕事無理だとか、媚びんなとか言われちゃって…。それが悔しくてっ…』”



そう言ってただ泣いてたなまえ。


初めて涙見せた時、俺には何も出来なくて…。


ただ「大丈夫」って言葉しかかけられなかった。



なまえには言ってないけどひとりで悲しみ耐えるなまえを守りたいって思った。



だからそのあと付け加えるように言った。



“「なまえちゃん」”


“『はい…』”


“「今度の休み、海に行こ?なまえちゃん好きでしょ?そこで悔しさとか今背負ってる荷物置いていきましょ?」”



“『…はいっ』”



泣きながら笑うなまえが何だか素敵でもう一度惚れた。



それが2人の初めてのデートだった。





海でたくさんはしゃいで笑って、誘った俺まで楽しかった。



そこからまた距離が縮まって、付き合いだした。



なまえからokの返事をもらった時思わず抱きしめた時、俺にはなまえが眩しくて…


その時、痛み喜び分け合う勇気を誓ったんだよ。



なまえと一緒になってからたくさんの月日が経った。それなりに喧嘩もしてきたけどそれでも“別れる”って選択肢は俺たちの中になかった。




「なまえさんー」


『なにー?』


「今から海行かない?」


『珍しいね笑、かずから言うなんて』


「いーから行こ」


『はいはい笑』



唐突に言ったのに嫌な顔一つしない君。



俺が車を出しいつも2人で行く海へと行った。



海に着くなり俺が行きたいって言ったのに1番テンション上がってたのはなまえだった。




「そんなに慌てると転けるよー」


『大丈夫だってー!』



走って海にまで行く途中に転けたなまえ。


それに思わず笑った。


だってあの子顔から転けたよ?



「言わんこっちゃない笑」


『ごめん…笑』



なまえがそのまま座ってるから俺もしゃがんでなまえの顔に付いてる砂を払ってやった。



『やっぱ海はいーね!』


「ほんと好きだよね、海」


『うん。てか、何で海にきたの?』


「あ、それ聞いちゃう?笑」


『聞いちゃうでしょー。だってかずから言ったんだよ?』




何で?ってもう一度言うからもう腹くくって言うしかないか。


雰囲気があったってもんじゃないな笑



なまえが産まれて今日まで生きてきて


1番素敵な日にしたいのよ。



「なまえ」


『うん?』


「会いたいってなまえが言っても会ってやれない日が多かったしきっとこれからもそうだと思う。でもこの先ずっと俺の隣にいて欲しいのはなまえだけだから」



だからさ。




「俺と結婚してください。世界のどんな女性よりも絶対幸せにするから」




死ぬまで幸せにするって心に誓ったからさ。




俺の言葉を聞き終わったなまえはポロポロと涙を流してた。


『あ〜…、かずが海に行こうって言った時点で気付けば良かったぁ…』


「なんだそれ笑」


『かずのばかぁ…。涙止まんないじゃん〜。』


「あなたさ、返事はくれないわけ?笑」



ん、って手を差し出せばなまえは目をゴシゴシしながらニヤっと笑ってた。




『世界で1番幸せにしてください』



そっと俺の掌に自分のを乗せた。



嬉しくて俺までニヤって笑ってそのままなまえを引っ張って腕の中に閉じ込めた。



「んふふ、当たり前でしょ?」






君と俺を見守り育ててくれた


家族に感謝するよ。



そうじゃなきゃ君と出会えなかったからね。




大好きだって 今日も伝えるから。











今日の誓い
(Who knows how deep I've loved you)
(Who knows how long I've loved you)
(Who knows how strong I've loved you)
(You're everything)




End。。。
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