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□カフェラテにお砂糖を。
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『翔ちゃんさぁ、幼稚園の頃ウチでお泊まりした時お漏らししたよねぇ!!一番上なのにー!笑』



和「あれでしょ、名無しさんの親父さんがドア強く開けただけなのにさ笑」



翔「うるせぇよ!!名無しさんだって夜中トイレ行けない〜って泣き喚いてたじゃねぇかよ!笑」



『お漏らしした人よりはマシです〜!』



飲むスピードも上がって昔話に花が咲く。





翔ちゃんはあたし達より1歳上。



だから小さい頃は一個違うだけでお兄ちゃんみたいだと思ってたけど実際大人になると1つ違いなんてあまり大差ないじゃんって思った。




翔「あ、私、櫻井翔!ご報告がありまーす!」



急にテレビのリモコンをマイク代わりにして改めて話始めた。





『えーなになに?』



和「気になるー(棒読み)」



翔「櫻井翔、好きな人が出来ましたー!!」




ーズキン




『へ、へぇ!そーなんだぁ!』




ズキン、と胸の奥が痛くなった。




聞きたくない言葉をまた1つ聞いてしまった。




『どんな人?どんな人?』




翔「前にドラマで共演した人!」




『あ!分かった!鮎川日向ちゃんでしょ!』




翔「うわバレた!笑」



『ふふん、翔ちゃんのタイプはもう分かりきってるからね!』




翔「さすが名無しさんだわ笑」




『翔ちゃんムッツリだから気をつけないとね!』



翔「ムッツリじゃねぇ!」




和「…………」























翔「Zzz…」




あの後も飲んで翔ちゃんは先に潰れてしまいソファで寝てしまった。






あたしはベランダに出てココアを飲んでいた。




和「付き合いましょうか?」




後ろを振り返れば和の姿があった。




そのままあたしの隣にきて煙草に火を点けた。



隣から煙草の匂いが流れてくる。




和「変わんないね」



『何が?』




和「翔ちゃんに好きな人できて落ち込むとベランダに出てココア飲むの」




『…………』





あたしのクセ知ってたのか。





和「翔ちゃんに片想いして何年だっけ?」




『…10年以上、デス』




そう、あたしは幼なじみの翔ちゃんが好きだ。



それこそ小さい頃はそんな恋心抱かなかった。



でも高校生の時にグンっと背も伸びて声も一段と低くなってあたしの気づかない間に“大人”な翔ちゃんになってて何だかそこにやられて好きになってしまった。




そこからもう数10年片想いをしてる。




けど何時だってあたしの片想いは叶うことなんてなかった。





和「だいたい、あんた動揺してんのバレバレよ?」



『だって…』




和「翔ちゃんが好きな人コロコロ変わるのなんて今に始まったことじゃないでしょーよ」






翔ちゃんは昔から好きな人が出来ては付き合う。



出来ると必ずあたし達に報告してくる。それでいつもあたしは『頑張って!応援してる!』。付き合うと『おめでとう!』と心にも思ってないことを吐き出す。




そして翔ちゃんの好きなタイプは決まって“可愛い系”。女の子らしくてふわふわしててけどぶりっ子ではない人。




あたしとは真逆なのである。



あたしは女の子らしくもないし可愛くもない。





つまりあたしには勝ち目がない。





『自分で考えたら悲しくなってきた…泣』



和「は?何言ってんの?」



『ううん、こっちの話』





両手に持ってたココアがさっきより冷めてきてるのを感じる。




和の方を見たら新しい煙草になってた。和だって相変わらず煙草吸ってんのね。




『翔ちゃんはさ、』




和「ん?」




『あたしのこと幼なじみとしてしか見てくれてないよね…』





翔ちゃんにとってあたしはただの幼なじみで妹みたいな存在でしかないんだって思ってしまう。




それがあたしにとっては悲しいことなんだ。




和「…名無しさん次第でしょ」



『え?』



和「翔ちゃん振り向かせるのもそのままの関係なのも名無しさん次第だと俺は思うけど?」



何かあったらにのちゃんが協力してやるから元気出しなって言ってあたしの大好きなケーキ屋さんのクッキーをくれた。




『うわぁ!久しぶりに食べる!!』




和「喜んでくれて何より」




和はあたしのこと分かってるなぁ。って頭の片隅で思った。





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