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□スノーマジックファンタジー
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「嘘だろ…」




相葉雅紀、只今





遭難中






てか今遭難を確信した






友達といて物を落として拾ったら






もう目の前にはいなかった





元きた場所に戻っても誰もいないし周りの景色は雪で





一面真っ白






「はぁー、どうしよう…」




自分がまさか遭難するなんて


















『どうかした??』

















ん??





人の声!!






バッと顔を上げたら時が止まったようだった







俺の目の前には1人の女の子






真っ白くて長い髪に雪のように白い肌






そんな姿に見惚れてた






『ねぇ、大丈夫??』


「えっ、あ、大丈夫!!」





顔をじっと見られて恥ずかしくなって目線を反らした





「あのさ、ここどこ??」


『ここはねスノーランドだよ』


「スノーランド??」


『一年中雪の降る山よ』


「ここにずっと??」


『うん、この国であたしは生まれたの』





それって…






「もしかして雪の妖精??」








そう言えば、そうね、と笑顔で言った





『人間はみんなそう言う』





オカルトの類は全く信じていなかったのだけれども







この子…





あれ??そう言えば名前聞いてなかったや






「ねぇ、君の名前は??」


『なまえ』


「なまえね!!俺、雅紀!!」





なまえを見るまでは信じてなかった






『外にいるのも何だし、あたしの家に行こ??』


「え??妖精にも家あんの!?」


『あるよ笑 妖精だって生活してるんだから寝る場所ぐらいある』







クスクス笑うなまえに胸がなった






笑った顔が可愛いなんて思った






なまえの家に入ったけどまぁ雪の精だから







家の中は氷で出来てる







『ごめんね??雅紀には寒いね』


「ううん!!俺初めて氷の家見たよ!!」


『ほんと??喜んでくれてよかった』





不意になまえの年っていくつだろ??って思って聞いてみることにした







「なまえって妖精だから、やっぱり200歳とかなの??」


『…雅紀は夏を過ごしたことある??』






あれ??





無視された笑






まぁ、女の子に年齢聞く方が失礼か







「あるよ」


『ほんと!?すごいなぁ』


「なまえはないの??」


『うん、あたし夏を見たことがないの』


「そーなの!?」


『そーなんだよね。燃えるようなあの夏を見るのがね、あたしの夢なんだ』


「じゃぁ、一緒に下山したら夏を体験しようよ!!」


『でもいいの』


「え??」


『この世界は知らない方がロマンチックなこともたくさんあるのでしょ??』





そう静かに微笑むなまえが今度はすごく綺麗だった






初めて会ったのに色んな顔を持つなまえに






惹かれてて






なまえに恋をした







『あら、もう朝日が昇ってる』





たくさん話してたらいつの間にか夜が終わってた






「ほんとだ!!時間経つの早いね〜!」




窓の方に行こうとして立ち上がったら





倒れてしまった







『雅紀っ!!』




なまえが抱き抱えてくれてそれがちょっと嬉しかった






なんだか力が入らない






それに段々眠くなってきた





なまえといるという事は、やはりこういう事だったんだろう




『…ねぇ、命はやがて終わるもの。雅紀とあたしにも終わりはくるの。なのに、なんで出逢ってしまったのかな??』




寂しそうななまえの顔





それを見るのが辛いんだ





『…雅紀が来てくれて出逢えて嬉しかったよ??でもあたしといちゃいけないの。』




なまえの涙が俺の頬に伝う







『雅紀は「幸せ」と同時に「悲しみ」も運んできた。皮肉なものね』






そんな顔しないで




「俺は悲しみなんて運んできてないよ」


『え??』


「なまえと出逢えて初めてこんなに誰かを愛せたんだ



なまえ、好きだよ」




力を入れてなまえにキスをした






君の腕の中にいれる





それが俺のハッピーエンド


















「…ちゃん、相葉ちゃんっ!!」




誰かが呼ぶ声で目を覚まして横を見れば






心配そうに翔ちゃんがいた






「あれ??翔ちゃん??ここどこ??」


「病院!!心配したよ!一緒に下山してたのにいないしさ!!探しに行くにも夜だったし!!でも良かった…」






眉がすごく下がってる翔ちゃん






ん??






病院??







俺、なまえといたはず…








「ねぇ、なまえは??」


「なまえ??誰それ??」


「真っ白くて長い髪に白い肌の子!見なかった??」


「見てないけど…」


「てか、俺どうやってここまで…」


「山の麓の木の所で寄りかかるように眠ってるのを地元の人が見つけたんだよ」






え??だって俺、そんな力なかったのに






考えられるのは一つ






なまえが連れてきてくれたんだ







「なまえ…」





手をぎゅっと握りしめて山の方を見た








これがなまえにとってのハッピーエンドだったんだね








俺、忘れないよ







雪の魔法にかけられて







雪の妖精とのファンタジーだったから












スノーマジックファンタジー





End。。。

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