ピエロと電脳世界

□9 兄さんの正体
1ページ/5ページ




今朝はなんだか早く起きれた。
エシェロスに起こされる前に起きるなんて初めてじゃない?私。
今日はなんかいいことあるかも!!



『おはようカンナちゃん!!起きて!!・・・・・・って』


「起きてるよ!おはようエシェロス」


『カンナちゃんが1人で起きるなんて・・・・・明日は槍が振るのかしら』


「そりゃないぜエシェロスちゃん!!」


『冗談よ冗談!!おはようカンナちゃん!』


「エシェロスの冗談は時折冗談に聞こえません」


『え?なんて?』


「なんでもないよエシェロスちゃん!!」






笑顔がまぶしくて直視できないぜエシェロスちゃん!!




『もしかしたら今日なにかいいことが起こるかもね』
「だな♪」





エシェロスと会話しながら着替えて朝食をとる。私は朝はそんなに食べないので、ホテルのバイキングはあまり利用しない。





朝食を食べ終り、今日の予定を話し合う。


「今日はどうしようか」


『ネット内はあの掲示板の書き込みの所為でしばらくはいけないわ』


「んじゃあやっぱ外から情報収集していこうかね」





どこに行けば兄さんの情報が手に入るか。


「なるべく近場がいいんだけどなぁ」


『そんなわがまま言わないの』


「すんません」
















結局午前中は話し合いだけで終ってしまった。話し合いに5時間も使ったのか私等は。



「取り敢えずお腹がすいたのでどっか食べに行こうか」


『そうだね』






いつもの鞄に財布と手帳、小型パソコンを入れて肩にかける。PETを腰のホルスターに装着したところで部屋のチャイムが鳴った。




「はい、なんでしょうか?」



<お客様に会いたいという方がいらっしゃっております>


「私に会いたいって・・・・・?」





私日本にはあんまり知り合いいないんだけどな・・・・。



とりあえず誰かを確認するために部屋のドアを開ける。
そこにいたのは


















「やっと見つけたぞ」





















なんと伊集院炎山でした。





















私は急いでドアを閉める。ホテルマンの人が「お客様?!」とかいってるけど気にしない。



ドアに鍵をかけて反対側の窓を開ける。
ここは5階だから結構な高さ。




『ちょ、ちょっとカンナちゃん!!なにするつもり?!』
「なにって・・・」
















飛び降りるんだよ



















『駄目だよ!!この間は3階だったからまだ良かったけど、ここは5階だよ?!下手したら死んじゃうわ!!』


「しくじらなきゃいいんだろ?」





綺麗に着地すれば問題ない。




『だって、でも危険すぎるわ!!』


「このままここに居たらオフィシャルにつかまるんだぞ?!」


『そ、そうだけど・・・!!』


「大丈夫、上手くやって見せるさ」











私は窓枠に足をかけた。
そして勢いをつけて飛び降りた。







ん〜この浮遊感ww
2回目はやっぱ慣れるな。







このホテルの前はあまり人が通らないので、昼にも関わらず人通りは少ない。




もうすぐで地面。着地の態勢をとる。




















しかし、私の足は地面に着くことはなかった。









「え・・・?」







ふわりっという効果音がふさわしいだろう。
私の体は何か温かいものに包まれた。








「このまえの蹴りといい、今のダイブといい。君は思いがけないことをするな」









苦笑いで5階から飛び降りた私を受け止めたのは、昨日の緑のオフィシャルだった。










.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ