ピエロと電脳世界
□12 光家に居候?!
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「あぁまるで娘ができたみたい!!カンナちゃん、ここを本当のお家だと思っていいからね?」
「ありがとうございます、はる香さん」
「もちろん、エシェロスちゃんもね?」
『はいっ!!』
みなさんこんにちは、カンナです。
私たちはただいま、光家にいます。
どうしてかって?
私が聞きたいっつーの!!!
あの後、なんとか怒りが収まった(無理やり収めた)私はエシェロスとホテルに帰ることにした。
だってこんな胸糞悪いところにいつまでもいたくないじゃん?
さっさと帰って兄さんの捜索を続けなきゃ。
「カンナちゃんちょっと待って!!」
またしても光さんが私を呼び止める。
呼び止めるの好きだなこの人。
「まだ・・・何か?」
「カンナちゃんたちはフォルテがまだ生きていると信じているんだよね?」
「愚問です」
「・・・・・私達科学省は、君たちからお兄さんを、君たちから幸せを奪ってしまったことをとても申し訳なく思っている」
「・・・・・・・・・・・」
「だから、せめてもの罪滅ぼしとして、私達もフォルテ捜索の手助けをしたいと思うんだ」
「・・・・・・・は?」
手助け・・・・・・・科学省が?
「ちょ、ちょっと待ってください光博士!!」
突然今まで黙って話を聞いていた伊集院が声を上げた。
「今は原因不明のウイルスが多発しています!今はまだ何とか被害を広げることなく解決できていますが、これからもっと事件は大規模になると予想されます。
そんなときに、どこに居るのかも、増してや生きているかもわからないナビの捜索などしている余裕はありません!
大体、彼女をここに連れてきたのは親族の捜索ではなくウイルスバスターの依頼のためです!!」
畜生伊集院めしゃしゃり出やがって←
「私はやらないって言ったはずだけど」
「やりたいやりたくないの問題じゃないんだ。やってもらわなければ困る」
「勝手に困ってればいいだろ」
「なんだと?!」
すぐにムキになるなんて、まだまだガキンチョだな。
「まぁまぁ落ち着いて、炎山くん!」
「そうだよ炎山、カンナちゃんにだって事情があるんだから・・・」
「しかし・・・・・・・っ!」
「なら、こうしたらどうだ?」
「ライカ?」
「カンナはオフィシャルネットバトラーとして俺達と共にウイルスを破壊する。そのかわり、科学省はカンナに分かる全てのフォルテの情報を提供する」
部屋の隅で私達の行動を観察していた緑色のオフィシャルがこんな提案を持ち出してきた。
ていうかコイツ今までホントに空気だったなww
「・・・・・・交換条件ってことだな」
「科学省はそれに賛成だ」
「カンナちゃんは?」
「・・・・・・もし私がオフィシャルに加担したとして、私のメリットは情報だけか?」
「十分な利益だろう」
「甘いな。ウイルスと戦うなら同時に危険も伴うんだろ?私の可愛いエシェロスを戦場に送り込むんだ、情報だけなんて安い利益で頷くわけないっつーの」
『カンナちゃんってば・・・・』
若干顔を赤くして俯くエシェロス。
あぁそんなエシェロスも可愛くて大好きだよ!!
「それじゃあお前は他に何を望むんだ?」
緑色の問いかけに私は笑顔で答えてやった。
「住む所☆」
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