ピエロと電脳世界

□13 落ち着く場所
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「大変お見苦しいところをお見せしました」







ロックマンの言葉で涙腺崩壊した私は昼飯時だというのにも関わらず大泣きした。

最初の方は勢いに任せて泣いてたけど、そのうちホントに止まんなくなって軽く焦ったww





無様に泣き続けた私の頭をはる香さんはずっと撫でていてくれた。

その優しい手つきに、今までずっと忘れていた母親の面影を見た。






熱斗くん(そう呼ぶことにした)はどうしたらいいかわからないといった感じであたふたしていた。



まぁ、顔からしてもシリアスとは無縁だよね熱斗くん。










「いいえ。泣きたい時は泣くのが一番よ。私でよければいつでも相談に乗るわ」


「そ、そうだよ!!何か良くわかんないけど、俺も、カンナには笑ってて欲しいし、俺達もう友達だろ?」


『そうだよ!困った時は助け合わなきゃ』








「・・・・・・・・・・」








「私はカンナちゃんを本当の娘のようだと思っているわ。だから、辛かったら私を頼って。ね?」






「はる香さん・・・・・・」










頼る・・・・・ね。



この5年間、まともに人に頼った記憶がない。エシェロスには多大なる迷惑を存分にかけた気もするけど。
頼る人なんていなかった。














私には兄さんが全てだったから。






父さんや母さんとの思い出なんて、霞掛ってまともに思い出せすらしないよ。







「ありがとう、はる香さん、ロックマン」


「俺は?俺は?!」


「熱斗くんに頼るのは些か心配だなぁ」


「なんだとー?!」


『アハハハハハッ!!』


『ク、クスクス・・・・・!!』


「ロックマンもエシェロスも笑うな!!」










軽く怒りながらも、熱斗くんは笑顔だった。
熱斗くんだけじゃない。ロックマンもはる香さんも、エシェロスだって。



曇りのない笑顔がたくさん。




















その光景は、いつかの私と兄さんとエシェロスを思い出させた。












目に滲んだ雫は、笑い泣きだと自分に言い聞かせる。







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