ピエロと電脳世界
□10 昔ばなしをしよう
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「兄さん、おはよー!!」
『おはよう、カンナ』
今朝の目覚めは良かった。嫌な夢も見なかった。朝一番で兄さんのお顔も見れた。
今日はいいことあるかも!!
『何ニヤニヤしてんだ?』
「ニ?!ニヤニヤなんかしてないもん!!」
『はいはい』
兄さんはわたしの頭を撫でてくれた。
兄さんはネットナビだけど、わたしの部屋は全体的にでぃめーしゅ・・・・な、えりあ・・・・・?ってゆーホログラムの壁と床で出来ているから兄さんはわたしの部屋の中なら実体化できるの!!
だから兄さんに抱っこしてもらうことだって出来るんだよ〜!!
「兄さん、抱っこ!!」
『しょうがないなカンナは』
苦笑いをこぼしながらもわたしを抱き上げてくれる兄さん。
兄さんの腕の中はナビなのに何故かとても温かい。感覚的なものなんだろうけど。
『カンナ、早く朝ごはん食べな。折角作ったのに冷めちまう』
「食べるー!!」
わたしにはお父さんとお母さんはいないの。おじいさんはいるけどたまにしか帰ってこない。
だからわたしはいつも1人。
でも、全然寂しくないんだよ!!兄さんがいるからね!!
兄さんはお仕事が無い時はずっとわたしに構ってくれる。
家のことは大抵兄さんがやってくれる。
兄さんすごいんだよ!!ご飯まで作れちゃうの!!
わたしがさみしくないように、ずっと傍にいるよって言ってくれた。
だからわたしは寂しくない。兄さんがいるから。
『カンナ、今日は何をして遊ぶんだ?』
「んっとね〜・・・インターネットいきたい!!」
『わかった』
朝食食べてる最中に決まった今日の予定。
インターネットに行くといってもわたしが直接行くわけじゃない。それは流石にわたしでもわかる。
兄さんをオペレートしてインターネットを徘徊するという意味だ。
兄さんは自立型ナビだからわたしのへたくそなオペレートなんかいらないんだけど、いつもわたしに頼んでくれる。
わたしはウイルスバスティングが苦手だからいつも可笑しな指示を出しちゃうけど、兄さんが必ずフォローしてくれる。
だから兄さんとのネット徘徊は大好きだ。
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