ピエロと電脳世界

□10 昔ばなしをしよう
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〜said ナビ〜









―――――――ここはどこ・・・・・・・・?










わたしは確か、捨てられてはず・・・・・・・・・・・・・・











ネットバトルが弱くて要領が悪いわたしに、オペレーターだった子が愛想をつかして。














暗くて冷たい、ひとりぼっちのところに置き去りにされた。












何度もウイルスに襲われて。でも戦う術を持っていないわたしはただ逃げ回るしかできなくて。














いつしか足も動かなくなった。もう駄目かなって思ったの。













このまま誰にも見つけてもらえないで、1人寂しく自然デリートを待つのかなって。



















でも、目が覚めたらとても温かい場所にいた。置き去りにされたサーバーとはあきらかに違う。





ここはきっと誰かのホームページ。だってとても可愛く装飾されているんだもの。
ここの管理人は誰なのかしら?





ホームページの管理人が誰なのか考えあぐねていると、ガチャッという音と、「あ、起きたんだね!!」という声が聞こえた。





「気分はどう?どこか痛いところとかない?」



『・・・・・・・・・・あなたは』



「わたし?カンナってゆーの!!よろしくね!!」






わたしが問いかけると、女の子、カンナちゃんはとても綺麗に笑った。
こんなにあたたかな笑顔なんて何年ぶりに見ただろう。何故だか目じりが熱くなった。





「君のお名前は?」



『わたしは・・・・・・・・・・』






言いかけたところでハッとした。



















わたしって、誰だっけ?























どうやら前のオペレーターの子に名前までデリートされてしまったらしく、自分の名前が思い出せない。




『わたしは・・・・・・・・・・名前は、無いの』



「名前が・・・・・無い・・・・・・?」



『わたしは捨てられたナビ。コアをデリートされかけた。そのときに名前もデリートされた。だから、名前は無いの』



「・・・・・・・・・・・・・・・・・」












わたしは誰?名前が無いと言う事は存在が証明できないのと同じこと。
わたしという存在は名前が削除された時に同時に削除されてしまった。







わたしは誰。どうしてここにいるの。












「捨てられた・・・・・・・・ねぇ」




『・・・・・・・・・・・・・・・』










この子はきっと気まぐれでわたしを助けた。きっとすぐに飽きられる。わたしはバトルが出来なくて何かが悪くて・・・・・・・・あれ?何が悪かったんだっけ?それすら忘れてしまったわ。
































「じゃあさ、君、わたしに拾われてみない?」




『え・・・・・・・・・・・・・?』










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