ピエロと電脳世界

□11 天才科学者との約束!
2ページ/3ページ






そう、1ヶ月前の今日はお爺さんが兄さんを造った(生んだ)日。









つまり、兄さんの誕生日。











わたしとエシェロスで兄さんを驚かせようと、3日前から念入りに計画を立てた。




当日、わたし達の用意したお誕生日パーティで、兄さんはとびっきりの笑顔を見せてくれた。




とても素敵な笑顔でわたしとエシェロスに「ありがとう」と言ってくれた。




















いってくれたのに・・・・・・・・・・・。









「ねぇお爺さん!ありえないよ、兄さんがインターネットを破壊だなんて!!」


「私もそう思った。だが、私では科学省の判断は覆せなかった。オフィシャルを止めることが出来なかった。フォルテの言うことも聞いてはくれなかった」




「・・・・・・・・・・・・・兄さん・・・・・」















嘘だ













嘘だよ











兄さんがそんなことするはず無い











兄さんはわたしとのネット徘徊は楽しいって言ってくれた











また来ようって言ってくれた



















兄さん・・・・・・・・・・・!!












『カンナちゃん・・・・・・・・・・・』


「カンナ・・・・・・・・すまない・・・・・・・・・・・・・・すまない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!」











お爺さんは顔を歪めてわたしに謝る。




違うよお爺さん。



お爺さんは謝る事はないんだよ・・・・・・・・・・。












兄さん・・・・兄さん・・・・・・・・・今どこにいるの?








兄さんは強いから、デリートなんてされてないよ。




兄さんは強いから、オフィシャルなんかに負けないんだ。








兄さんは・・・・・・・・・強いから・・・・・・・・・・・・・・













だんだん視界が歪んでいった。










『カンナちゃん・・・・・・・・!!』








エシェロスが実体化してわたしを抱きしめる。








わたしの目から何か、温かい、でも冷たいものが零れ落ちた。






それが涙だと理解する頃には、わたしの足元には小さな水溜りが出来ていた。












「あ・・・・・・・・・・ぅ、ぇ・・・・・・・・・・・・ぁ・・・ぁあああああああああああああああああああああああああんっ!!!

うわああああああああああああああー!!!!






あああぁぁぁぁあああぁぁあぁぁぁ!!!!」































ずっと傍にいるよって


















言ってくれたじゃないか

























兄さん
















.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ