ピエロと黒魔女

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〜said チョコ〜




ただ今〜。あぁ疲れた。これから黒魔女修行の午後練でもっと疲れるのよね。いやなだぁ。



「おらおらチョコ!!グダグダ言ってないでさっさとゴスロリに着替えろ!!」



出ました、わがまま黒魔女!!
学校から帰ってすぐゴスロリに着替えて黒魔女さん修行なんて、世界中何処探してもあたしだけだよ。


あたしが着替えている間にギュービッドは机の上にドリルを広げた。



なになに、今日のドリルは





・へちゃむくれでも分かる黒魔女さん6級
・黒魔術書き取りどりる6級用
・黒魔女6級へステップアップ!!




へ、へちゃむくれとは失礼な・・・・!!





「お前なんかへちゃむくれの低級黒魔女で十分なの!悔しかったらあたしぐらい綺麗で秀才になってみろ」




むかつく。
だいたい何処が綺麗で秀才よ。フードと髪で顔半分隠れてるじゃないの!!




「つべこべ言わずにさっさとやる!!」


「はいっ!!」




大声で叫ばれてつい返事しちゃったよ・・・・。



とりあえず何からはじめよう?

































「お、終った・・・・・・・」


やっと終ったよドリル!!長かった〜。
今何時だろう?コウモリの形の壁掛け時計を見ると6時30分くらい。
あたし3時間近くもこんなドリルやってたの・・・・・・?
なんていうか、無駄な集中力使ったな・・・・・。




「ギュービッドさま、終ったよ」



呼びかけてもギュービッドは反応なし。
ベッドを見ると、ギュービッドったら『なかよし』を顔に乗せて寝息を立ててる。
くっそうこの性悪黒魔女!!人にはドリル3時間もやらせておいて自分はぐっすり寝るなんて・・・・・!!


一気に脱力したあたしは部屋の中を見回した。
ギュービッドが来てから整理するようになったあたしの部屋。
ふと、本棚に目が行った。そういえば、大いなる教書をルシファーちゃんに貸してあげるって約束したんだっけ。



まさかクラスにオカルト仲間が出来るとは思わなかったなぁ。
それもフランス人の女の子。ビックリだよね。
お人形みたいな可愛い顔してオカルトに興味ありますって笑顔でいうんだもん。


ルシファーちゃん、おおいなる教書のほかにも何かよむかなぁ?







「おい、何ニヤニヤしてんだ。ドリルは終ったのか?」



「うわぁっ?!」







ギュービッドさま!!おきてたの?!




「当たり前だのクラッカー!!このあたしを誰だと思ってんだよ!!」



ギャグが古い!それに、ギュービッド様、口の端に涎のあとついてるよ。



「な、何?!どこだ!!」





ギュービッドはコートの裾で口を拭き始める。
あーぁ、そんなに強く擦ったら唇荒れちゃうよ?



「あたしはいつも魔ップクリームを塗ってるから唇は荒れたりしないの!!」



「魔ップクリーム?」



なにそれ。



「魔界グッズだよ。これを塗ると唇がつやつやになるんだ」



へぇ〜便利だね。



「、って、今はそんな話をしてるんじゃない!!そのニヤニヤした顔をやめろって言ってんだよ!!」



に、にやにやとは失礼な!!ちょっとお友達が出来たからよろこんでただけじゃない!!





「お友達ぃ?お前みたいなへちゃむくれの友達なんか、どうせへちゃむくれだろ?」



へちゃむくれへちゃむくれってさっきからうるさーい!!



「転校生のルシファーちゃんはすっごいかわいい女の子だよ!!」











あたしがそう叫んだ途端、ギュービッドは動きを止めた。
そして勢いよくこっちを振り返る。
な、なんなのよ・・・!!



「今、なんていった?」



「え?へちゃむくれへちゃむくれってうるさーいって・・・」



「その後!!」



「転校生のルシファーちゃんはすっごいかわいい女の子だって言ったけど・・・・・」



「ルシファー・・・・・・・・・・その転校生、どんな感じだ?」



「どんな感じ?う〜ん・・・・・フランス人の女の子で、髪は黒くて目は銀色だったよ」



「黒髪に銀目・・・・・チョコ、」



「な、なに?」



「明日の午後練は特別になしにしてやる」





え?嘘、やったーーー!!
これで明日はのんびりできる!!





「そのかわり!!」































「その転校生を家につれて来い。絶対にだ」



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