ピエロと黒魔女
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私のいきなりの死神発言にチョコちゃん口あんぐり。
そりゃそうだよね。
私だってそんな事急に言われても対処しきれないもの。
そんなチョコちゃんの姿にギュービッドちゃんは大笑い。
しばらくボーっとしていたチョコちゃんも復活してギュービッドちゃんへ悪態をついてる。
この子達、とても仲がいいのね。
「いきなりこんな事言われても困るよね。ゴメンねチョコちゃん」
「あ、ううん!!今までにもビックリすることいっぱいあったし、死神なんて初めて会うから逆にちょっと感動したかも・・・・・」
若干目をきらきらさせながらチョコちゃんはそう言ってくれた。
「先輩はなぁ、成績優秀でスポーツ万能、おまけに美人で優しくて。
学校のアイドルのような方だったんだぞ!!」
「へぇ〜そうだったんだ」
「学校のアイドルって・・・・・・私そんなに成績も運動も優秀じゃなかったよ?
ちゃんと悪戯も居眠りもしたし、普通に先生に怒られたこともあるよww」
「え?ルシファーちゃん、先生に怒られたことあるの?!」
「あるよ〜。確か私が5回生の時にギューちゃん一行と由玲と私で担任の先生に悪戯したんだよね。
懐かしいなぁ」
「せ、先輩!!アレは大半はあたし達が悪かったんです!!
実際に仕掛けたのはあたしだし・・・・・・・」
「でもやろうって言い出したのは私と由玲だよ。
ギューちゃん達は付き合ってくれただけでしょー?ww」
ホントに懐かしいなぁ。
あの後由玲と2人でトイレ掃除1年間の刑くらったんだよね。
由玲マジでキレてたww
「あの・・・・・・由玲、って?」
「ん?私の親友よ。由玲 埜 汀(ゆれい の なぎさ)って言う女の子。だから、由玲。
彼女は多分、黒魔女躾協会にいるんじゃないかしら?
やることはアホだったけど、成績だけは優秀だったからね」
「(今ルシファーちゃん、アホって・・・・・)」
「(今先輩アホって・・・・)」
由玲は今頃どうしてるかな?
卒業してからずっと会ってないけど、きっとあの子のことだから元気でやってるよね。
「だからね?私は優秀でもなんでも無いの」
「ふ〜ん」
「チョコ!!なんだ、その反応はぁ!!先輩は謙虚だから、自分のことを過小評価してるだけなんだよ!本当は学年トップだったんだぞ!」
「が、学年トップ・・・・・」
そりゃすごい、なんてチョコちゃんが小さくつぶやく。
「そんなにすごいことじゃないよ。ちょっと勉強が得意だったってだけよ」
私はそんなにすごくなんてない。
それこそ成績だけなら由玲の方が上だった。
ただ彼女は授業態度が悪かったためそこまで優秀になれなかっただけだ。
「まぁ私の話はいいとして、ギューちゃん本当に久しぶりだね。ほかの子達も元気にしてる?」
「はい!森川はいま魔界で店開いてるし、桜田は魔界ファッション系列の会社に属してるようだし、黒雷は魔界小学校の先生と暴走族を兼用してます」
「瑞ちゃんはうまくやっているようね。桃ちゃんや毬ちゃんも相変わらずねww」
「暗御留燃阿もあたしと同じでインストラクター黒魔女やってるみたいですよ」
「そっかー。暗ちゃんも頭良かったもんね」
懐かしいメンバーの名前に思わず頬が緩んでしまう。
みんな元気にしてるかな?
「あ、あの・・・」
「どうしたの?チョコちゃん」
私がギューちゃんと話していると、チョコちゃんが遠慮がちに会話に参加してきた。
「ルシファーちゃんは、どうして黒魔女にならなかったの?」
「え?」
「だってギュービットさまや友達はみんな黒魔女なんでしょ?じゃあどうしてルシファーちゃんだけ死神になったの?」
「チョコ!!お前、先輩に失礼だぞ!!」
「だって気になるもん!」
「いいよギューちゃん、怒らないで。そりゃあ気になるよね」
「でも先輩・・・!!」
「いいから。チョコちゃんなら話しても大丈夫だろうし」
「?」
どうして私が黒魔女ではなく死神になったか。
すこし私の話をしようか。
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