MAGI- -

□シンドリアにて
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―――いつも通りの、日だった。


一国の王である人が逃げ回って、
それを追いかける部下がいて、

魔法と剣術について競い合う二人がいて、

マイペースに森で過ごしている人がいて、



いつも通り、にぎわっていた、


此処……シンドリア。




そんな何気ない日に、ある異変は、やってきた。



・・・

此処、シンドリアにていつも通りの姿が見受けられていた。




というもの、この国の主、王であるシンドバットが仕事から逃げ出し、


それを彼に忠実な部下のジャーファルが、追いかける。

というものだった。





いかにもそれは王宮ではいつも通りな、見慣れた風景。



呆れたりする人や、部下の追いかける彼の苦労をいたわる人はいても、誰も求めるものはいない。




……ただ、部下の彼をみておびえる人はいたかもしれない。











「シン!!あなた、また仕事ほっぽかしておいて……!!」



逃げているあの王でさえも、心なしか顔が青ざめている気もしなくない。



では、なぜ逃げる。と問いたいものだが、
それがあの王だから仕方がないと、皆諦めていた。




そうして必死に逃げている王だが、そんな走っている彼の目の前に、

「王よ!!!何者かに結界を破られました!!!」






といいながら、王宮などの護衛にあたる人が現れた。



急に現れた人に、結構出ていたスピードを落とした彼は、無事、ぶつからずに済んだようだ。






もう、いろんな意味で焦っている彼だが、

今起きている問題の方に意識をそらしたのか、一瞬で顔つきが変わった。







「なんですって…!?!?それは……シン!!」


彼を追いかけていた部下の彼も追いつき、
焦って彼らの王であるシンドバットに言う。


「あぁ、わかっている、八人称ともに、王宮前に集合だ!!」




シンドバットと彼の部下である一人の、
ヤムライハが作った結界はちょっとやそっとじゃ壊れるものじゃない。

なのに、それを壊してここにやってくるとは……




そう思う彼らに、最悪の事態が頭をよぎる。




―まさか、あいつらが……!?


そんな不安な思いを抱えながらも、
彼らは走って、目的の場所へと向かっていった。
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