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□A Happy days!(Kサト)
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「…ただいまサトウ」
「おかえりなさい、圭さん!」
帰ってきて、人の、しかも自分の最愛の恋人がエプロンをつけて出迎えてくれる状況があることに、俺はなんて幸せ者なんだろうと、Mr.KKこと柿原圭一は本気でそう思った。
○A Happy days!○
「圭さん、もうすぐご飯出来ますけど、お風呂とどっちを先にします?」
「あぁ、そうだな…先に、飯にする」
「わかりました!じゃあ少し座って待ってて下さい」
サトウはそう言って笑うと、キッチンの方へと戻っていく。
その後ろ姿を見ながらKKは、疲れた体を沈めるようにソファーに座り体の力を抜く。
こうしてこの家でゆっくりするのも、実は1週間ぶりだったりする。
理由は、『仕事』で依頼が立て続けに入ってしまったからだ。
KKは“表”の世界で、清掃員として働いている。
しかし、KKにはもう一つ、“裏”の仕事…殆どこっちが本業だが、『殺し屋』もかねている。
今回は、“裏”の方の『仕事』のせいで、しばらく家を空ける事になってしまったのだ。
ちなみにサトウはKKの“裏”の仕事の事も知っている。
知った上で受け入れてくれている、普通に接してくれて、自分を愛してくれている。
それだけでも、KKにとってサトウの存在は特別だった。