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□お酒はほどほどに(Kサト)
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その日、俺は‘裏’の仕事で遅くなり、深夜に帰宅する事になってしまった。

その時はもうすでに深夜を回っていて、流石のサトウももう寝てしまっているだろうと思い、合鍵を使ってなるべく音をたてずに家の中へ入った。

だか、中に入ってすぐに待ち受けていたのは、



「おかえりなさいけいさーん!!」
「うぉおっ!?」



…無駄にテンション高く飛び付いてきたサトウだった。



「うっ、お前、酒くせぇ…」
「けいさん、まってましたよ〜、いっしょにのみましょうよー」


そう言って絡んでくるサトウは、既にだいぶ飲んでいたらしく、顔も真っ赤で呂律も回っていなかった。

元々サトウはあまり酒は強くない。
その事は本人が一番知っているだろうに、何があってこんなことになっているのだろうか…。

「おい、お前何で酒なんか飲んでんだよ」
「ふぇ?…あー、さっきまでかみさまがきてて、おさけもってきたんですよー」

(あんのクソ神…!)

頭ん中で無駄に腹がたつ笑顔のMZDが浮かんできて、俺はそれに盛大に文句を言うと、サトウの方を見てどうしたもんかと考える。

正直、‘裏’の仕事で疲れている今、とてもじゃないが酒を飲む気にはなれない。
だからといって、このままこのテンションのサトウをほっとく訳にはいかない。
大体、こいつも何でこんなになるまで飲んでやがんだ。

「おい、もう止めとけサトウ。また今度飲もう」
「えー!!」

内心苛立っている自分を抑えながら、俺はサトウにそう言う。
だが、サトウはあからさまに不満そうな声をあげて抱きついたことで渦組めていた顔をあげる。

…その反応に、俺はついプチン、と自分の理性の糸が切れるのを感じた。
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