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□五月雨[ダイヤのA](光→沢)
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※前回の御沢の『相合い傘』と同じ時空列の光→沢版なのて、始まり方が全く同じです。
※光舟君の改造が酷いです。
「沢村ぁ、お前今からちょっと菓子買ってこい」
「えー!めんどくさいですよー…折角今日休みなのに…」
「あぁ?お前先輩にたてつこうっとのか?」
「ギャー!!痛いです倉持センパイ!!!わかった、わかりましたからー!」
「くそぉ…何でこんな事に……倉持センパイのバカ…」
沢村はそう呟きながら、1人コンビニまでの道のりをフラフラ歩く。
今日は久しぶりに部活が休みで、部屋でゆっくり過ごそうと思っていた沢村だったが、冒頭の会話により、倉持にいつものパシリを命じられてしまったのだ。
「うー……まだ借りてる漫画読んでる途中だったのに…」
さっさと買って帰ろうと、沢村は小走りにコンビニの中へと入った。
頼まれた買い物リストを見ながら、次々にカゴに入れて、レジに行こうとした沢村だったが。
……ザー…
「……げっ!!」
外からの水音に沢村が外を見ると、さっきまでは降っていなかった雨が降り注いでいた。
パッと見るだけでも結構な大降りだ。
「……………マジかよ」
しかし残念ながら、沢村は今傘を持っていない。
今日は確かに雨が降るとは聞いていたはずの沢村だったが、どうやら忘れてしまっていたらしい。
(………どうしよ)
流石に雨が降ると知っておきながら雨で濡れて帰ってきたら、倉持を始めとする他の先輩に確実に怒られてしまう。
だが現在の沢村には、パシリ代と称した倉持から受け取ったお金しか持ち合わせていないのだ。
「うぅ……濡れて帰ったら絶対スパーリングかけられる…」
レジで支払いを済ませた後外に出て、だが雨の中外に走り去る事も出来ない沢村は、濡れないコンビニの屋根の位置で途方に暮れていると、
「沢村先輩」
突然横から声をかけられ、驚いた沢村が声をかけてきた方を見ると、そこには傘を持って沢村と同じくコンビニの屋根のところで佇んでいる沢村の後輩である人物。
「……………光舟」