短編
□扱いが
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
「むぅわごへぇい」
「何ですかその気持ちの悪い呼び方は。今ジュンコ探しに忙しいので用があるなら後でにしてください」
「私よりジュンコちゃんか」
「当たり前です」
「冗談キツいですな」
「冗談なんかじゃありませんよ」
「真顔で言うなよ傷付くだろ」
「どうぞ勝手に傷付いていてください」
「ひでえ。何で私だけ扱いこんなに酷いの」
「さあ」
「腹立つ」
「先輩がうるさいからジュンコが出てきません」
「私のせいにするなよ」
「先輩のせいですから」
「ジュンコちゃんと私マブダチだから。私が呼べばすぐジュンコちゃん来るよ」
「蛇が友達なんて…可哀想な方ですね」
「哀れな目で私を見るなよ…!つうか孫兵だって人のこと言えないじゃんか」
「僕はいいんですよ」
「わけわからん」
「田村先輩とかに比べたら僕はまだまともですから」
「あ、うん。そりゃあ三木ヱ門と比べたらね。ゆりことかさちことかどう見ても生き物ですらないしね」
「でしょ？」
「いや、そんなにドヤられても…」
「とりあえず先輩はジュンコ探しに邪魔なので僕の前から直ちに消え去ってください」
「うぅ…先輩にそんなこと言うなんて…孫兵なんか嫌いだ!」
「僕も先輩嫌いですから」
「ひどい!」
「だからうるさいですって」
「孫兵の真似。ジュンコォォォ!!どこに行ったの!?ジュンコォォォォォォ!!出ておいでぇぇ!!」
「頭大丈夫ですか？」
「そんな心配そうな顔で私を見ないで…!私の突然の孫兵の物真似にツッコンでよ!」
「…先輩って面倒臭いですね」
「今頃気付いたのか私の面倒臭さに」
「だいぶ前から気付いていましたけど今確信しました」
「今更確信したのかよ。おっせ」
「その顔やめてください。腹立ちます」
「普通にしてるときの顔がこれなんだけど…」
「じゃあ整形でもしてください」
「性格どころか顔も否定された…」
「落ち込むならもっと遠くでやって下さい。邪魔です」
「落ち込むことも駄目だ…と？孫兵さんキツいっすね」
「キツいのは先輩の顔でしょ？」
「酷い…!確かに顔はキツいけどこうもストレートに言われると精神的にくる…!!」
「僕なりにオブラートに包んだつもりですが」
「どこがオブラート!?あれでオブラートに包んでるなら私の顔面相当崩壊してるよ!」
「してますよ」
「ちくしょう!!」
「あ、ジュンコだ!ジュンコー!」
「あ、待てよ!私を置いてどこに行くつもりだ!おーい!……行っちゃった…。どんだけ私眼中にないんだよ。クッソ」
「孫兵君、私の扱い酷すぎじゃないですか…？」