小説
□傲慢無礼
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まず、一発頭でも殴ろか思て拳上げたんがあかんかった。
そのまま手首思いっきりつかまれてぽーいとベッドに投げ捨てられた。
寮の固めのベッドに頭おもっくそ強く打ちつけて世界が反転。
三半規管がある意味正常に働きはったおかげで、ぐわんぐわんする。
「ぅっあ、……何、すんねん」
おかげでメガネも吹っ飛んだわ。
そう抗議したろ思い、体を
起こせへんかった。
「ふ!?んっん、んんん〜っ!?」
手首を次はがっちり固定されたって、身動きもできないまま唇がふさがれる。
頭がやっと正常になってきたとこでそれがキスや分かってどないしよか分からんくなった。
いや、これ、なんて罰ゲームやの?
てかキスうっま。
自身より大きい後輩の男にファーストキス奪われてしかもそれがめちゃめちゃ上手いときたもんやから、ほんまやるせへん。
せっかくなら綺麗なねーちゃんや清楚なおねえさまにお願いしたいところや、いやほんまに。
「先に手出してきたのは、アンタだからな。何されても文句言うなよ」
「いや、結局未遂やん。ワシなんもしてへんのやけど」
「うっせーな、じゃあそんな風に色気ふりまいてんのが悪いんだよ」
「意味わからん」
「つまりだ、今吉サンを今からぶち犯すけど文句言うなよ」
「いやいやいや、するに決まっとるやろ。なんやのそれ」
「取り敢えず、ぶち犯すことに変更は認めねー。以上」
ここで、青峰が本気や気付いて怖なった。
「アカンアカンアカンっ、やって、ここ何処や思うてんのや!?」
「今吉サンの部屋」
「そない当たり前なこと聞いとらんっ!せやから……!!」
「せやから?」
うわ、性質わる。
こいつ確信犯なんやないんか…?
「ここ、寮の部屋やんか……っ!」
「だからなんだよ」
「隣の部屋に丸聞こえや…!!やから、ここではアカンてっ!」
「じゃあここでなきゃヤッていいのかよ」
「っ!!ちゃうっ!そないな意味やなくって!!ちゃうんや!!」
アカン、混乱しすぎて自分でも何言うてるのか分からんくなってきた。
でもワシの処女は守らな…!
「ま、どちらにせよ駄目ならここでヤるしかねーな。ま、声が出ないようせいぜい気を付けるんだな」
「っ!!や、め……堪忍したってぇな……なぁ自分……っ」
半泣き状態で懇願したにもかかわらず、青峰の目は本気やった。
ここで半分、ワシは諦めの態勢に入った。
もう既に諏佐に聞こえとるかもしれへんけど、取り敢えず声殺して隙見て逃げたろ。
それしかあらへん。
今は堪えな…!
なんて、考えが甘かったことをすぐ身を以って知ることになるんやけどな。