小説

□傲慢無礼
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指が三本余裕で入るようになったところで、一気に指を引き抜いた。

「ぁああっ…!…ハァ、あ……」

イきたいのか、すごく物欲しげな目でこっちを見てくる。
今吉サンはこんなにもヨガってるにも関わらず、まだ一回もイってなかった。
俺もイっている訳がなく、正直ズボンがきっついんで早く突っ込みたい。
だが、今吉サンにイきたいと請われるまでヤってやらないという目的を達成する為に我慢する。

「なん、つー目ぇしてんだよ」
「ぅ…ふぅ、あ……」
「腰、揺れてんぞ?嫌がってるんじゃ…なかったのかよ」
「…ん、んぅん」
「何してほしいか言ってみろよ。言わなきゃ分かんねーだろ」
「っ、う…ぁう……」

いつも言葉だけで沢山の人を泣かせてきた今吉サンを、俺が泣かせているという快感。
今吉サンのこの顔は、俺以外の奴に見せたくないな、と思った。
眉を八の字に下げて、潤んだ瞳を忙しなく泳がせる。
今更になって、ここが寮の部屋ってことを思い出したみたいで何回も隣部屋と接する壁を気にしていた。
でもやっぱ、本能には勝てないだろ?

「い……き…ぃ…、イきたい……イきたいっ…!っも、いややぁ…!」

泣きじゃくって懇願する姿に、俺が興奮しないわけがない。
お互いの理性が飛んだ瞬間だった。

「は、手加減…してやんねぇぞ…」
「うん…」
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