shadow in the dark


□焔と影
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小鳥がさえずる森の中、仮面をかぶった男と人形のような少女が話していた。
斑「という訳でだ…今日の任務はこの里にいる暗部の長を暗殺する」
『…了解』
暁マントについた草をはたいて落とした後仮面をかぶった男…マダラに向かって言う。
『ところで…わたしがそいつを倒すとしてもマダラはどうするんだ?』
斑「俺も一緒に行くに決まってるだろ?オビトをああいう風に言わせたお前の実力も見せてもらいたいからな…」
『…絶対マダラの方が強いに決まってるだろう。わたしなんかよりもずっと強いんだからな…』
本を取り出して歩きながら読み始めた凛音を見ると慌ててついてきたマダラが言う。
斑「転ぶぞ」
『転ぶ訳ないだろ』
斑「…何を読んでいるんだ」
『表紙を見ればわかる』
マダラが表紙を見ると
斑「…GOSICK…?何だ?」
『推理小説だ。但しこれは読んだことがある』
斑「読んだことがあるのに何故読んでいる?」
『…書庫の本棚にあったからだ。シリーズ作が本棚には無かったから次はこっちの赤川次郎の本を読むことになる』
斑「推理小説が好きなのか?」
『…まあな。本と呼べるものはほとんどが好きだな…とは言え何故か読みたくない描写があるものもたまにはあるが…』
斑「凄いな…」
『ところで…ここではないのか?』
話しているうちにその里に着いた。
この里はそこまで名も知られていないし、大きくもなく、内政的な国だ。
マダラ曰わくこの里の暗部の長が暁の情報をいつの間にか掴んでいたらしく、近々暁を攻撃するつもりだという。
そこで凛音とマダラが暗殺の為に送られたらしい。
『でも結局その命令を出したのはマダラだというのに…』
斑「う…実際にそうなんだから仕方ないだろう」
暁マントの中から手を出して素早く印を結ぶと
斑「火遁 豪龍火の術!」
マダラの口元から巨大な龍の形をした火球がいくつも現れ、里を焼いていく。
『さすがは元うちはの頭領、マダラ様ってところだな…』
斑「もっと褒め称えろ」
『あ?』
斑「すいませんでした」
凛音に凄まれあっさり引き下がったマダラ。
斑「とにかく…俺はもう手を出さない。だから今度はお前の出番だ」
『わかっている…だが』
スッと辺りを見渡して凛音がマダラに言う。
『…暗部が居るのであればおかしくはないか?あまりに人の気配がなさすぎる』
斑「…そう言えばそうだな」
とその時
『…ッ危ない!』
ドカッとマダラに跳び膝蹴りをするとマダラの頭があったところを大きな手裏剣が飛んでいた。
もし後一秒でも遅かったら確実にマダラの頭と胴体が別行動していた。
凛音に蹴られた部分をさすりながらマダラが起き上がった。
斑「いった…」
『油断するな』
斑「いや、だからといって跳び膝蹴りはないだろ!めちゃくちゃいてぇ…」
『そうでもしないと動かないだろうしな…わたしも感覚が冴えていなかった』
「(3mは離れているのに何故わかった…?)」
この里の暗部が十数人で攻撃のチャンスを狙っていた。
『…多いな…18人か…面をしているから暗部か?』
斑「え?面?見えてないのに…わかるのか?」
『加工された木の匂いがするからな…大方面にするしかないだろう』
ガサガサと現れた暗部のうちの一人が言う。
「お前ら…何者だ!?いきなり侵入してきたのは何故だ!?」
斑「…答える意味がないな」
『…さて、どいてもらおうか…わたし達はお前ら如きの下っ端兼雑魚共に用事はない』
斑「…さすがに言い過ぎだろ」
『別にいいだろう』
「と、とにかく!殺るぞ!」
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