It's impossible!!√O

□are you ready ?
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「という訳で、新しく暁の家事を手伝ってくれる來だ」
家政婦なんてはじめてだ、わあい。
『よろしくお願いします』
「ふーん……普通女ってのは入れないと思っていたんだがな」
怨霊みたいな顔をした猫背の癖にわたしより少しだけ(本当にほんの少しだけ)背が高いおじさんが言う。
サソリと言うらしい。
それは全国の女性に対する挑発のようなものだが長々とこんなこと説明するのも面倒だ。
「それはわたしのことを見て言ってるのかしら」
「言ってません。言ってないので紙手裏剣しまってくださいお願いします」
『え、いや、でも……戦闘要員じゃないから入れてもらえたんだと思います』
「……へぇ……(普通に返してきた……変な奴)」
あれ。
何か表情変わらないけど怒ってるっぽいぞ、あの声。
なんか間違えたかな。
割りと無難な答えだった気がするけど。
「金の無駄使いさえしなければいい」
「上手い団子を作ってくれればいい」
『アッハイ』
だ、団子の作り方なんて知らないけど大丈夫なのか?
「主に家事をしていたのは私なので……よろしくお願いしますね」
『こちらこそ。よろしくお願いします』
鬼鮫と名乗ったその魚っぽい人はちょっとどころか割と、相当怖かったけど根は良い人だと信じることにした。
そしたらイタチが近くに来て何を言うのかと思えば
「お前……來って言ったな……」
『はい(え、やっぱり何か悪いことした?)』
「お前……勇者なのか?鬼鮫に初対面でそこまで話せる女は、初めて見たぞ」
『!?いやいや、先輩はきっと優しい人なのでそんな言い方……』
うん、一応今までとは違う世界だろうが今までと同じ、心の中では何考えたとしても表面上だけでも礼儀正しくいよう。
鬼鮫がメモとお金を持って来て言った。
「早速で悪いんですがこれを買いに行ってもらえませんか?」
お使いかあ……。
ちゃんと地図つきだし大丈夫だろうと言うことで普通にそのまま行ってしまった。





さっきの道を引き返すように進んでいくと急に
ジャラジャラ!
『お……?!』
変な音がする、と思って振り向く頃には時すでに遅し。
一瞬で鎖がわたしの身体を拘束してしまった。
見るとフードを深く被った人が鎖を握っていた。
『だ、誰?』
「……(グググッ」
『いでででででっ!?』
……何かここに来る前に見たあの不審者にそっくりだがこの人は輪郭から見ると女性らしい。
助けを呼ぶ?……誰に。
なんて考えている間に首の後ろに衝撃を受け、意識がカットアウトした。
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