It's impossible!!√O

□I have hide a fact.
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【オビトside】
『ふー……』
と息を吐き出した來の目の前にはロープで縛られているエリカがいる。
どうして、万華鏡写輪眼を持っているんだ……。
そう考えていると來がエリカを見やってからオレの方に歩み寄ってきた。
その場しのぎでリビングから出しただけみたいで、廊下に放り出されていたらしい。
それでも、あのチャクラの動きは、完全に……。
『……なんかほんとに申し訳ないことした気がする。……よっこらせ』
ほんとだよ。
來は座らされていたオレの身体を起こして肩に担ごうとして、身長的に引きずることに気がつくと大きなため息を漏らした。悪かったな、足長くて。
『ふんぬっ!!』
「(憤怒?)」
しゃがみながら來はなんと足の間に腕を差し込み左足を抱えて左腕を掴んで立ち上がった。
「(え、え、え??)」
思わず困惑する。何でこいつこんなことやってんの?てかこんな運び方知ってんの?
うんしょ、うんしょ、と一人で声をかけながら來に運ばれて部屋に行く。
『……まだ起きてない……よね?いや、確かめようにも……はあ』
仮面を脱がせないようなある程度の良心とモラルは持ち合わせていたようだ。
というか地声けっこう低めなのな。
案外落ち着いてて、変な猫を被っているというか、道化を気取っているというか……。
ベッドに寝かせたオレに近寄った來の手にはサソリの解毒薬。
この短時間で特定して探し出すなんてやるなこいつ。
『……トビ……』
呼び捨て……?
ゆさゆさと揺らされるがまだ動けない。
……頭と目の方は動いているが。
しばらく唸ってから來は言った。
『……しゃーないな……失礼』
一体何が、というかさっきからキャラ崩壊しすぎだろと思っていたところでおもむろに上半身が起こされる。
「(は?!)」
オレの腰に來の腕が回されている。
さっきもそうだが、昨日までとは比べものにならないくらい、近い。
そして仮面が口元までずらされる。
「(何を……!!)」
次の瞬間、顎を上げられたオレの口に滑り込んで来たのは柔らかいもので、それは來の唇だった。
「(?!)」
少しずつ液体が口の中に流れこんで来る。
ヤバい。理性が吹っ飛びそうだ。
ってかこれ端から見れば男が女に襲われている格好だぞ。
あ、でも確かに身体が動くようになってきた。
『……ごめん、許してね。……これっきりだからさ』
ボソボソと呟かれながら仮面を戻された。來の顔が見れない間に來はそのままオレとは逆方向に顔を向けた。
確かに來の出した答えは正しかったらしい。
寝かせられた体を少しずつ、もぞもぞと動ける部分を動かしてみる。
來が出た扉の音が響く。
少し時間はかかったが後を追って扉に聞き耳を立てると
『……仲間だと思ってたんだけどなあ』
そこにはいつもの元気なふざけたような感じとかさっきまでのような人を小馬鹿にしたような感じは入っていなくて、読み取りにくいがどこか……悲しそうな声だった。
……何故かそんな声を聞いて胸が痛くなった。
そう言えば
≪『ぷっ……くくっ……ははははっ!!……幻術だよ、それ、ぷっすっすーっ!』≫
とか言っていた。
何より気になるのは何故來が万華鏡写輪眼を持っていたのかだ。
さて、どう聞き出したものか。
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