It's impossible!!√O

□it is beside to the problem
1ページ/5ページ

【オビトside】
「これで終わりッスかね」
オレの言葉に隣を歩く來が頷く。
『消耗品だけですからね。これで大丈夫です』
「まったく……僕、これでも割と來さんのこと心配してるんスからね」
『?』
きょとん、と來がオレを見上げる。
ここ、どこだろう。
「(……夢か……?)いや、來さんすぐ知らない人についていきそうだし」
『わたしを何だと思ってるんですか』
「ちょっと目を反らしたら何か傷ついて帰ってくるし」
『わたしを何だと(ry』
「客引き断れないし」
『わたしを(ry』
「ポケットティッシュすぐ受け取るし」
『先輩?わたし別に悪いことしてませんよね、それ!?』
「いつもちゃんと止め刺さないし!他の連中に連絡とかされたらどうするんスか!」
『でもー……』
「……そんなんじゃ、いつか変な奴にあっさり殺されますよ」
歩いているのに、周りが見えない。
『……簡単には殺されませんよ』
「どうかなあ、それ」
『気をつけます。それでも死んだらさっさと記憶から抹消して下さいね』
「、(なんで……)なんで、そんなこと、言うんスか」
『へ?』
「なんで、そんな……自分を忘れられるの、嫌じゃないんスか」
『?むしろさっさと忘れられる方がいいじゃないですか?』
「え……」
『いや、だって。幽霊になれたならそれほど自由なことはないですよ?早く忘れた方がお互いに楽ですよ』
「何、言って……」



『 先 輩 ! 』
「!」
來の大声にハッと我に帰る。
気がつけば、地面に倒れていた。
「(今のは……)」
『……なに?邪魔しないでよ』
『それはこっちの台詞じゃボケ!勝手にわたしのこと騙ってんじゃねえわクソッタレ!J△SR△Cに申請しろ!いや、意味無いけどさ!』
「ちょっ、何これ!?どういう状況!?」
オレの隣にいる來と何か暴言吐いた來と、オレの目の前に二人、來がいる。
『そいつ、幻術にかけてわたしの心を勝手に覗き見したあげく先輩拉致ってるんです!』
「はあっ!?」
『嘘です!』
『じゃあ何でこんな洞窟に居んのさ!他でもない手前が先輩拉致って尋問しようとしたからだろうが!』
「(あ、多分あっちが本物だ)」
『ざけてんじゃねえぞクソガキが……!なに勝手なことしてくれてんだよ……殺すぞ……!』
「!?そんな怒ります!?」
『勝手に人の心覗き見した挙げ句それ晒すとかほんとキモい死ね!藻屑と化せ!』
「(じゃああれは……自分を忘れられるの、嫌じゃないどころか、むしろ忘れて欲しそうなのは、本心なのか……)」
『怒ってるとこごめんね?でも先輩はもうわたしのもの』
「中身男とかやめて下さいね」
『男ですよそいつ』
「いやぁぁぁあ掘られるぅぅぅぅう!!!」
『まあまあまあまあ』
『(シリアスブレイカー……だと……!?)あぁっ……先輩……そんなに怖がって……可愛い……!』
「本音と建前逆んなってますよ!?(何色っぽく言ってんだこいつ)」
『(半分)冗談です』
「()の中身!」
『(先輩はわたしの心を知ってもなお、そんなことが言えるなんて……)せっかく壊してもらいましたけどちょっとこの展開は……頂けませんね』
來は笑った。
『(触った……喋った……笑いかけた……傷つけた……!)』
『な……なに……?』
『(何も知らないくせに……この狂気も、憎悪も、何も、何も知らないくせに……!)うん……まあ……その……恥ずかしいんで、一回しか言いませんよ。



死 ね っ ! !
來はスコップを振り下ろした。
『がはっ……!』
『お前が実体化した"怪物"、或いは過去だろうがなんでも構わない。ここで無様に果てろ、クズ』
怒涛とも言える連続の撲りつけにもう片方の來の姿が消え、代わりに男が現れた。
「ご、ごめんなさい!もう許して……!」
『だが断る』
「ストォォォォォップ!!」
『何ですか』
「待って、落ち着いて下さい」
『落ち着くのは先輩です。わたしは最ッ高に冷静です故』
「口調とか声音が既に崩壊してますけど!?」
『む、う……』
しまった、と言わんばかりに俯いた來に駆け寄ると不安そうに見上げる写輪眼と目があった。
「(こんなに綺麗なもんなのか)」
今までいくつも見てきたが、何だか印象が違うというか……。
來がぺたぺたとオレの周りを歩く。
「……怪我ならしてませんよ」
『!……むう……』
「心配してくれたんスよね。大丈夫ッスよー」
『……。』
むう、とむくれる來。
ショックからか気絶してしまっている敵に止めを刺してから隔離するように來を連れて買い出しに今度こそ向かう。
『いやあびっくりしちゃいましたよー』
いきなりいつもの調子に戻った來の方を見ると來はにひひ、と笑った。
『さっきのは秘密です。大丈夫、二重人格とかじゃありませんから!先輩と、二人だけの秘密……って、何か、卑猥ですね!』
「そういうこと言わないの」
ゴンッ
『あだあっ!?先輩最近よく手出ますね!?』
「來さんが変なこと言うからでしょ!?」
『変なことって何ですか、変なことっていっだあっ!』
「いいですか?殴ってるこっちも胸も拳も痛いんスよ?やめて下さい」
『実はそうでもないんだけどなあ……あ、ちょっと、構えないで下さい。下ネタって言ってるこっちも恥ずかしいんでもう言いませんから』
「恥ずかしいなら言わないで下さい」
『あっはっはー』
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ