It's impossible!!√O

□let's excited!
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「うおー!!でっけえなあ!」
湯隠れに着き、旅館に入った。
『本当に広いですね……(ちょっと落ち着かないなあ)』
旅行券を使い、二泊ともここに泊まることになった。
ていうか今考えたらこんな大人数分の旅行券とかただの抽選会なんかで当たるもんか?
『……。』
考えすぎ、なのかな。
いまいちその当てた状況がわからないから勘繰ってるだけなんだろうか。
「じゃあもう部屋に行こうか」
「ちょっと早いから少し休んだらこの旅館にあるカラオケに行かない?」
「おお!!いいな、うん!!」
カラオケとかあるの?
やっぱりわたしが想像している忍の世界より発展しているみたいだ。
ていうか、そっか、雨隠れもビルとかあったもんな。あれか、サイバーパンクとか、そんな感じの、独特の進化を遂げた世界とか、いやむしろ魔術の換わりに忍術が宛がわれてる和風ファンタジーみたいな世界とか。
『(……まあええわ)』
荷物を持ち直してまた歩き始めた。





『で……この部屋で皆さんと寝るんですか?』
「……そのようね」
「ごめん、そこまで考えてなかった」
「手を出したらどうなるか……わかってるのかしら?」
『知ってますか?獄炎ってその名前の通り地獄の焔なんですよ?』
「わ、わかってるぞ……」
「じゃあ布団しこうか」
『小南さんの隣がいいです』
「そうね」
そして荷物を置いて、カラオケに行った。
『にしてもあれですよね!なんか、こんな大人数で纏まって行動とかかなり貴重ですよね!』
「まあ、今までほとんど話したりとかしなかったしな」
「少しは仲間意識とか持つのもいいだろう?てことで本来ならペア旅行券だったのをオレの自腹で増やしてるんだからお前らちょっとは感謝しろよ」
「えっ!?」
「うそだろ、リーダーが……?」
「後でお前らから徴収するとか行ったらお前ら来なかっただろ。だから今回だけはオレの奢りだ。あ、もちろん飯はお前らに任せるから」
「……熱でもあんのか」
「お前ら酷くない?オレ仮にもリーダーだよ?」
「どうせ給料から引かれる奴だぜ」
『……リーダー、ありがとうございます』
「來……!お前だけだな、やっぱり良心的なの」
『みなさん、心では思ってても言えないだけなんだと思います。素直になるのって割と難しいので。だから、自分がみなさんの代わりにお礼を言います』
ありがとうな、と言いながらペインは來の頭を撫でた。
褒められることでもないが、嬉しい。
來はそんなことを思いながらくすぐったそうに照れる。
「……。(なんか……モヤモヤする……?)」
オビトはその光景に何か感じたらしい。
「來さん」
『?どうしました?』
名前を呼ばれて振り向いた來を見つめる。
「……いえ、何でもないッス。ちょっと呼んでみただけですよ」
『?』
來はきょとんとしてからオビトを見つめる。
「……。」
『わぷっ』
オビトは來の肩を優しく掴んで自分の方に引き寄せた。
『(え?ええ??何これ?え、どういう状況ッスかこれ!?)』
「いや、何か、リーダーの視線がいやらしかった気がして」
「オレ!?」
『え?ん?んん?』
「何か……あー、もう、とにかく!來さんはオレから離れちゃダメッス!何か、迷子になりそうだし」
『確かに。いや、でも、先輩のプライベートなお時間が……』
「いいッスよ、オレは。そんなことよりも來さんの方が気にかかります(うん、ほっといたら何するかわからんし……それに、また変な輩を引き寄せんとも限らんしな)」
『……何か、ありました?』
「え?いえ、何も……」
『わたしでよろしければいつでも話して下さいね』
「あ……ありがとう、ございます?」
『ほら、自分この前多分怒らせちゃったじゃないですか。……多分、自分があんまりに無防備だったから、怒らせちゃった、のかな、とは思うんですが……』
「別に、怒ってなんか……」
「じゃあ何?やきもち?」
「やっ、やきもち!?」
小南が初めて見るニヤニヤ顔……しっかしふつくしいな、むしろあれじゃただの天使様の微笑みじゃないか……でトビに言った。
「な、何でオレが……!」
「あら、違ったの?それはごめんなさいね?」
『そ、そんな……!先輩は……そんな……』
まさか、やめてほしい。
わたしは、別に構わないけれど、トビからすれば堪ったものじゃない。
『先輩のタイプなんかとは全然離れてますから、わたし!ほら?わたしかなり地黒ですし?見た目も性格も色々終わってますし?(あーーーー何で"ほら完璧すぎて?"とかそっちに持っていけなかったんだよ……!これじゃただの褒めてもらいたいかまってちゃんだ、最悪ふざけんなし)』
「(え……そこまで気にするか……?)いや、でも可愛いとこはありますよ」
『(ほらぁぁぁあやっぱり変に気遣わせてぇぇぇぇえ)それならいいんですけどねーははははは(あーもうマジかよ最悪じゃんかぁぁぁあ)』
「(こいつ内心のテンション相変わらずたっけえな)」
「(あらあら……これは二人とも……?ちょっと可愛いとこあるじゃない、マダラも)ふふっ」
「ちょっ、何笑ってるんスか小南さん!?」
「いいえ、何も?」
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