It's impossible!!√O

□let's excited!
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「あの二人早くくっつかないッスかね……」
『本当に。両想いなことぐらいわかるのでじれったいですよね……』
「お前ら何話してる」
リーダーがムッとしながら言う。
『リーダー、顔にやけてまっせ?
「な?!」
「ふふっ」
「わ、笑うな!!」
「では次はどこへ行く?」
「そうだな……お化け屋敷はどうだ?」
お化け屋敷……?
『え……やめません?行かないといけないんですか?』
「お化け屋敷か……」
「あれ?來怖いのか?」
『や、やだなあ……怖い訳、ないじゃないですか……ははっ、あははっ……(視線反らし』
「(絶対怖がってるな、あれ)」
「じゃあいつものツーマンセル組んで行くぞ」





「じゃ、僕らも行きますか!」
『ま、マジですか……』
トビが意気揚々とドアを開ける。
え、やだ……頼もしい……と密かにトゥンクしていると土間に正座をして読経をしているおばあさんがいた。目が合った気がして出かかった悲鳴を飲み込みながら後ずさると前からクスクスと笑う声が聞こえた。
「來さんったらほんとに怖いのダメなんすねえwww」
笑っていたのはトビだった。見られたのが、揶揄われたのが恥ずかしくて俯くが、薄明かりに照らされた砂利道しか見えないし、なんか端っことか所々黒ずんでて気持ち悪い。
『……やっぱり揶揄うんじゃないですか……もう出たいです』
不貞腐れるように呟くとトビはごめんごめん、と謝った。知ってる、こういう時は全く思って無いやつだ。
「早く出たいんならちゃんと僕についてくるンスよ?怖かったら僕の腕握ってていいんで、目瞑ってて下さい」
『(うぐ……完全にイケメンのそれ……耐性無いわたしにそれはキツい……)
ま、まだ、大丈夫、です』
「あら?んー、そっスか。いつでもウェルカムッスよ♡」
『……なんか楽しんでますよね』
「あはっ☆なんのことッスかー?」
少し進むと角にさしかかった。
曲がると鏡があり、わたしとトビの後ろに女の人が写っていた。
『っ……!?』
「(うおっ)」
思わず隣にいたトビの裾を掴む。
「……大丈夫ッスか?」
ようやく気づいてガバッと離れて
『す、すみませんでした……!』
「あぁ、謝らなくていいッスよ?別に大丈夫でしたし……さっきも言いましたけど、むしろ僕はいつでも受け入れますから!」
待って、それ冗談のつもりだよな?
『……』
何を考えてる。
思わず勘ぐるように、トビの仮面を見つめる。表情が読めないだけに、なんだかそれが本心なのかもわからないのが一番不安になってくる。
『……あー……えーっと……そのー……』
「……全く、そんな怖がんなくたって良いじゃないッスか。ほら、ちゃんと本心からやってることッスから。こんな可愛いたった一人の後輩を煩わせたくなんかないっすもん」
『わずっ……ごほん!わた、わたしだって!別にそんな、先輩に迷惑かけるようなことしたくないですから!』
「(それ、どういう意味だ)ほら、先行っちゃいましょう」
『……そうですね』
初めて言われた言葉に胸の底が重くなる。
どういうことだ。
今までどこにも居場所が無くて誰にも認められなかったわたしを、必要としてくれているとでも言うのか。
これは、なんなんだ。
初めての感じに戸惑う。
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