It's impossible!!√O

□roommate
1ページ/5ページ

【オビトside】
「……とまあこんな感じだった」
「そうか……ご苦労だったな」
報告書に目を通すペインに報告すると部屋にあった椅子に座った。
「ところでペイン」
「なんだ?」
「あいつを何故入れた?見たところ、特別強いチャクラがあるわけでも無さそうだったが。確かに珍しく仲間想いらしいところは認めるが物理的に何か強みでもあるのか?」
そう尋ねればペインは報告書を机に置いた。
なんだ?と見ているとペインは机に倒れこんだ。
「……どうした。疲れてるのか?」
死体のくせに、というからかいを敏感に感じ取ったらしいペインはムッとした(らしかった。表面的には変わらなかった)。
「……正直、よくわからん」
「わからん、ってお前……」
呆れたようにため息をついてじっとりと視線を送ると気まずそうに特徴的な目を明後日の方向へ向けた。
長門は、こんなんでもマダラに認められてるし、ちゃんと実力だってある。
……だからと言ってそんなことは如何なものか。
「……いや、うん、マダラが言いたいことはわからんでもない、んだけど、さ……その……実はだな」
「言い訳か?」
「言い訳だ」
「何を開き直ってるんだ、図々しい奴め……まあ、オレは良い上司だからな、聞いてやろうではないか」
「オレからすればアンタの方がずっと図々しいけどな」
「ほう」
「嘘ッス」
「ふん……話してみろ」
「あぁ……えーっと、なんというか」
と少し言い淀んでからペインは話し出した。
「その、な。少し前に家政婦拾ったけど消えたって言って怒られただろ」
「あぁ、怒ったな」
「その家政婦なんだ、あいつは」
「來が?」
「まあ、朝から詳しくは話せなかったから今話すことになっちゃった。ごめん」
軽い。
今までも何回かこんなことはあったが全然反省していないような……。
「……お前は相変わらずオレに黙って動くところがあるな……まあいい。それで?何故來は帰って来た訳だ」
「いや、あの……なんというか……この前、小南と大蛇丸のアジトに乗り込んだだろ?」
「あぁ」
そういえばそんなことを言っていた。
またどうせ居ないだろうと思っていたが、まさか。
「それが関係あるのか?」
関係があるなら怪しいが。
「あそこに、囚われてたんだ」
「……囚われてた?まさかあいつの腕についてた枷も関係あるのか?」
「……やっぱりバレたか」
「おい」
やっぱりとはなんだ、やっぱりとは。
また何か隠すつもりだったのか、と睨みつければギギギ、と顔を反らした。ペインてめえ。
「來が隠したいって言ってたから、あまり話したくなくてな。オレ部下想いの優しい上司だから。はっはっは」
「何がはっはっは、だ。何故囚われていたんだ?」
「そこは知らない」
「何で知らないんだよ……仮にもリーダーだろ、お前……」
「何となく訊くに訊けなかった」
あぁ、確かに女には色々あるもんな、うんうん、ってこのお馬鹿!
「……まあいい、オレが聞き出してやろう。気になるところもあるからな」
「気になるところ?」
「お前は訊かんでいい」
面倒くさいと思ったのが思わず声に出てしまっていたらしい。
「何だよそれーオレには教えろって言うのにー」
オ レ が 黒 幕 だ か ら な ?
「はっはっは」
(# ^ω^)
「……はあ……とにかく、來……あいつはオレが見張ってやる。少し長居するぞ」
「え、なんで」
「露骨に迷惑そうにするな。……來はしたっぱみたいなもんだろう。正式メンバーじゃない。トビが一緒の方が心を許しやすいかもしれん」
「まああれじゃあなあ」
「やかましい」
表面的には変わらないのになんでこんなふざけてるの丸わかりなんだろう、腹立つ。
本体の長門がアレなだけにこの天道体だとはっちゃけすぎてるんじゃないだろうか。
ちょっと長門のメンタルが心配だな。
……それ言ったらオレもか?
オレのはちゃんとした演技だから。
そして、気になることと言えば。
「……、……。」
あの時、……確かに來のチャクラは、質が変わった。
なんというか、今まで感じたことのない、奇妙な質感を帯びたチャクラ。
まるで……
「(……いつもの來のチャクラは表面だけのもので、あの時はその中のものが溢れ出た、ような……)」
そのチャクラの存在はあまりに異質で、……憎悪とも、思いやりとも取れる、奇妙な感情に満ちていたように、感じた。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ