It's impossible!!√A

□不羈
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「おや、お久しぶりですねえ」
「あぁ、しばらく振りだな」
オビトは軽く腕を上げて鬼鮫の挨殺……鮫肌を受け止めた。
鬼鮫は鮫肌を下ろした。
「ん?その方は……?」
『……』
「……おい、どうした……挨拶しろ」
來はオビトの後ろから少し様子を見ると前に出てきた。
「ぶっ」
何故か鬼鮫が吹き出したのを見てオビトと來は顔を見合わせた。
「……何を笑っているんだ」
「い、いえ……!ふ、くくっ……!あの、予想外で……!あの、ふふっ、……お似合いですね」
『……いや、この人の妹でも娘でもないからな』
「えっ、そうなんですか?」
「馬鹿なことを……娘ってオレを何だと思ってる。どう見たって似てないだろう」
「そうですかねぇ……おっと、紹介がまだでしたね。私は干柿鬼鮫と申します」
『私は來』
「あぁ、この方が、例の」
「だから連れて行くって言っただろう」
『?』
何の話をしているんだ、と來は内心小首を傾げてオビトに視線で説明を求めた。
オビトは來を見ると膝に手をつき、視線を合わせると言った。
「オレは少しの間一人で調べなければいけないことがある。その間、來には鬼鮫と一緒にいてもらう」
『!?(この時点で鬼鮫と一緒にいるなんて、今までは……)で、でも……』
「……?」
來は珍しく狼狽えた。
オビトは不思議に思いながらも理由を告げた。
「こいつは剣術の使い手だ。オレよりも上手い、鬼鮫に教えてもらっておけ」
『……』
俯いた來。
「(……ん?あれ、かわ、い、い……?)すぐに帰ってくる。……だから良い子にしてるんだぞ」
頭を撫でながら言われた來は少し名残惜しそうにしてから鬼鮫のところに歩き出した。
オビトはその様子に何となく小さい子どもか子犬を思い出してしまい罪悪感を覚えた。
『……早く帰ってこいよな』
「あぁ。……じゃあな、鬼鮫の言うことをちゃんと利くんだぞ」
『うん』
「(來に変なことすんなよ)」
「(いや、わかってますよ)」
苦笑いを溢しながら口パクで答える鬼鮫と來に見送られながらオビトは神威空間に消えた。
「さて……何から始めましょうか」
……まあ、都合はいいか。
來は鬼鮫に幻術にかけることを早々に決めた。
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