It's impossible!!√A

□決別
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『雨隠れに用がある自来也というのは、お前だよな』
唐突にかけられた声に距離を取った自来也に危害を加えるつもりはない、と両手をひらつかせる。
「何者だ」
『お前が直接乗り込む必要のないとこだ、雨隠れは』
「なに?」
『こっちの問題はこっちで解決する。そっちに飛び火させる訳にはいかないんだ』
「……暁にお前のような子供がいるとはなあ……感心できんのう」
『言っとくけど酒飲める年とっくに越えてるからな』
「冗談言うな。暁がワシに何の用だ」
『だから帰ってくれって頼んでるんじゃないか。死ぬぞ』
「死にゃあせんわ」
『いや、流石にリーダーに見られないようにお前を護衛とか正直キツいしダルい。帰れ』
「護衛?お前がか?」
『まあ護衛らしい護衛とか無理だから帰ってほしいんだよな、こっちとしては。今帰ってくれないと余計なものを見せなきゃいけなくなる』
「妙な奴じゃのう……」
『変人扱いには慣れている。だから早く帰ってくれ、マジで頼むから』
「そこまで言われるとまた気になるのう……」
『好奇心は猫をも殺すという言葉を知らんのか。好奇心で殺されるなら本望だとでも言うのか』
「何故ワシを護衛しようとしとるのか、聞かせてもらいたいものだが?」
『別に理由なんざお前が知る必要はない。ただこっちはこっちでごたついててね。範囲を広げる訳にはいかんのだ』
「……どうしても行くと言えば?」
『その時は少し嫌な夢を見てもらうことになる。その上で行くならば諦めて護衛についてやる』
「ワシは一人で来たはずなんだが……」
『旅は道連れ世は情けって奴だ』
木の上から自来也の目の前に降りると続ける。
『私には私のやらねばならんことがある。今お前に死なれるのはどうも虫が好かん。手荒な真似をするということはこちらの能力を見せなきゃいけなくなるからこちらとしても控えたい』
「それはお前の事情だ。ワシにとっての利点はない」
『お前は優秀だからな。自分の命と引き換えにしてでもあの里についての情報を自国に持ち帰る……その自信はあるだろう?』
「まあな」
『それでほぼ全壊する、と言ったら?』
「……なに?」
『お前の能力を高く買って警戒しているんだからそれは仕方ないことだ。幸いにもまだ里に入ってないんだから今ここで引き返せば何も起こらないはずだ』
「証拠は?」
『ない。私は預言者ではない。だが、もしこれで何か起こりそうになったのなら私が何とかする。それは嘘にしてしまった私の責任だからな。それぐらいはしないといけないことはわかってる』
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