It's impossible!!√A

□雷霆
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「……あれは完全に私達を無視して宣戦布告しますよね」
鬼鮫の言葉に角都は頷く。
「もはや暁のリーダーとしてではなくペイン六道としての振る舞いだろうな」
「それに仮面の男……オビトが加担している、といったところか」
『……だとしたらオビトが加担する意味はあまり無い気がするんだよな』
「と言いますと?」
『……オビトが長門を手駒にしてあくまで自分を指揮者……この戦争を始めた本人だというならまだわかる。だが宣戦布告の際もオビトは黙っていたし、動機を言ってはいなかった。……オビトはどうも別の理由で長門側に立っているような気がしてならないというか……』
「(え、これ割とヤバい状況じゃないですか)」
「(いや、流石にまだバレてないだろう。最悪の場合、オレが幻術で何とかする)」
「(そう上手くいくといいんだがな)」
『……まあ何でもいい。鬼鮫と角都を信用していない、ってことはあっちの大戦用のアジトをこっちが突き止めるには時間がかかるな……』
「一応見つけられるには見つけられるだろうが……その頃には大戦が始まっていてもおかしくはないな」
「何か作戦はないのか?」
『……そうだな、まずこの大戦、オビト側の戦力としてはオビト、長門率いるペイン六道、さらにカブトと穢土転生体、そして量産された白ゼツに黒ゼツ』
「考えはあるのか?」
『まずオビトと長門率いるペイン六道の方は五影によって隔離保護されてる八尾と九尾を取りに行く。だからそっちは後回しでもいい』
「ほう」
『黒ゼツは最後……十尾が復活し神樹が花開いてからでなければ牙を剥いてくることはない。奴単体に戦闘力はほぼ無い……弱った奴の体を乗っ取りはするが、それに関してはあまり気に止めなくてもいいだろう。カブトはアジトに引きこもって穢土転生体を操る。だからこの戦いでは量産された白ゼツと穢土転生体を序盤は片付けねばならない』
「白ゼツにあまり力はないのでは?」
「……柱間細胞か」
『ご名答。パワーアップしてるしチャクラを吸収して成り代わるってこともできる。……ただそっちよりも穢土転生体の方が遥かに厄介であることに違いはない』
「そうか」
『イタチの体はまだ本調子じゃないしな……』
「しかし」
「今はまだ体を休めておくべきだ」
『ただでさえ"暁"が宣戦布告した状況だ。下手に人数を増やして変に混乱させても悪いだろう』
「……そういえば小南はどうした?」
「雨隠れじゃないですか?」
『小南なら私が預かっている』
「えっ」
『さっきも言った通り、変に接触されても困るからな。弱りきっている状態で戦場に出て来られても邪魔だ。あいつらが完全に出払ったら雨隠れに帰してやる』
「邪魔、って……ひどい言い方だな」
『悪いが良い言い方なんぞ知らん。それに事実だ』
「あ、ところで結局その穢土転生というのは何なんですか?」
「二代目火影の禁術で、死者を蘇らせ操る術のことだ。しかも死なず、チャクラも無限」
『さらに術者を殺しても解くことはできない』
「対処の方法はあるんだろう?」
「術者に解除させるか、封印するか、未練を消すこと、だな」
『何せ量が多いからな。この場合は術者に解除させるのが適当だろう。カブトにイザナミをかけて解除することが適切なやり方だろう』
「!」
「イザナミ……?」
『……正直これに拘る必要はない。……他の方法を探せばいい……くそ、オビトさえ味方だったら……』
「何か方法があるのか?」
『いや、……オビトが居てもゼツがな……』
「言ってみるだけ言ってみろ」
『……今、思いついたんだ。だからやったことはない。確実ではないが……』
來は思いついたことを言ってみた。
「……そうですね……確かに、やってみる価値はあるかと」
『ただ、問題は……』
「心配するな。オレが何とかしてみよう」
イタチが言う。
「ただでさえ何もできないんだ。それぐらいはいいだろう?」
『……無茶はするなよ』
「あぁ」
『ところで余談なんだが』
「ん?」
『最近、夜中に目が覚めるとオビトがいる気がするんだ……気のせいだとは思うんだが』
「「「……。」」」
「……あ、そう……なん、ですか……」
「珍しいこともあるんだな」
「あまり気に病むな」
『あぁ、まあな。ところで



何故そうまでして視線を逸らしているのかな、諸君?』
「目なんて反らしてませんよ」
『いや、なんか微妙に肩震えてるし……完全に目反らしてるぞ?なんだ、何かあったか?』
「いや、何もない」
『……ならいいが……』
頭上にクエスチョンマークを浮かべて首を傾げる來。
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