It's impossible!!√A

□一転
1ページ/6ページ

神威空間から出てきたオビトの眼にまず飛び込んできたのは十尾の人柱力になった長門と戦うナルトとサスケ、そしてこちらに向かってくるマダラだった。
きっと長門は他の忍に任せても問題は無い。
「(……あれはどっちだ?)」
「オビト、貴様ぁ!」
「(あ、カブト側……か?いや、このジジイは騙し討ち大好き非情鬼畜ジジィだしな……)……どっちがどっちなんだ……」
オビトの嘆きに長門を追っていたマダラとオビトに向かってくるマダラが
「「あいつが偽者でオレが本物だっ!」」
「いやわかんねえよ(正確にはどっちも本物だしなあ)」
「大体お前が喚び出したんだろう!」
「こいつを喚び出したのはお前だろう、裏切り者が!」
「ほう、早くもネタバレか」
なら、こっちも手の内を明かしてやる。
そうオビトは襲いくるマダラの攻撃をあっさりとすり抜けた。
同時に肩に担いでいた來が動く。
「來」
『ふん』
槍を受け止め、押し退けたマダラがフッと笑う。
「……オレが惚れたのもわかる。見れば見るほどいい女だ」
『ではお前の目はもう使えないな、潰してやろう』
「強気な女だ」
「悪いがそいつはオレのだ。気安く触らないでもらおう」
オビトの繰り出す巨大な鎖や手裏剣を避けるマダラを來は槍で追いつめる。
『おい、距離が遠すぎる……!もう少し何かできないか!』
「発射するので手一杯だ!」
『なんかこう……!ガォンッて空間削ったりとか!』
「それ別のキャラだ」
『ザ・ハンドのBGMめっちゃアガる。秒でアガる』
「來!伏せ字伏せ字!」
右払い、突き、突き上げ、柄突き、殴り付け、凪ぎ払い。
「なかなかやるな」
避けながら言うマダラにオビトが
「オレが仕込んだからな。当然だ」
「ふん、ガキが粋がりおって……女、オレのものになる気はないか?」
『チェンジ』
「「あ"ぁ!?」」
『チンピラか』
「強気な女を屈服させるのはいいもんな」
『馬鹿なことほざいてんな』
「オレじゃないのに……言ったのはオビトなのに……(ズーン」
「來、何か味方の方のマダラが白目剥いてるからやめてやれ」
『じゃあどっかやっとけよめんどくさい!』
「どっかやっとけって何だ!」
『痴呆の次は難聴か?普通順序は逆じゃないか?』
「貴っ様ぁぁぁぁぁあ!」
「ジジイ怒らせてどうすんだ!」
『何も考えてない』
「この……!何でお前はそんな、無鉄砲すぎるんだ!」
「何故だ……何故お前が裏切った……そんなちんちくりんなんかに揺らぐとは何事だ……」
『ちんちくりん、だと……おい、今私を小柄と嗤ったな……?』
「ちっこいから可愛いんだろうが」
『っ!?』
「……。(しまったつい本音が)」
「お前はこの世界に絶望した。お前は救世主……マダラのはずだ」
「オレはリンを失ったこの世界に絶望した。アンタの計画にまんまと嵌められた訳だ。今は案外悪くないと思える……そしてオレはマダラじゃない。うちは、オビトだ」
「……ほう……」
小さくそう呟くとやがて笑い出した。
「……何がおかしい」
「いや……あれを見ろ」
マダラが顎で指し示した方向にまずオビトが顔を向けた。
みるみるうちに目が見開かれた。
「……あれは……」
「お前もなかなかに楽しませてはくれたが……あいつも負けず劣らず、面白い奴だった。お前は既に使えん……ならばあいつを使う」
マダラは不敵な笑みのまま、戦況を眺めている。
マダラを警戒しつつ、オビトに訊いてみた。
『……何が起きてる?』
「……、長門が……」
『!』
その言葉に思わず後ろを振り向いた。
長門が印を結んでいる。
その身体には、……黒ゼツ。
「交代だ」
外道、輪廻転生の術!
とマダラの声が聞こえると同時に煙が沸いた。
『くっ……!』
「來!」
オビトは來が煙に視界が塞がれているのを見て取り、素早く横抱きにして間合いを取ると高笑いが聞こえた。
「やっとまともに戦える!やはりこの体でなければ!血湧き、肉踊ってこその闘いだ!!」
背中を駆け上がる感触に身震いする。
武者震いだ。
「……この状況で笑えるとは、お前もなかなかの戦闘狂だな」
『笑わずにいられるか。素手の殴り合いこそ生き甲斐がある』
ボロボロとマダラの眼孔から輪廻眼が消えた。
こうなればまずは眼を……。
「やはり眼がなければな……奴に返してもらうとしよう」
ニヤリと笑った口をそのままに向かった。
「追わないのか?」
『追う。一旦あっちと合流しよう。眼が戻る前にこちらが保護しないと。……長門を』
「計画はあるんだろうな?」
『一応は、な』
「わかった。……ほんとは?」
『あるって言ってるだろうが』
「いやお前さっき何も考えてないっつったじゃん」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ