It's impossible!!√A

□日常
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「ほう……それで次は花屋のバイトか」
『何だ、不満か』
「いや、いいんじゃないか。変な客がいたらオレに言うんだぞ」
『へえへえ』
來は拳銃を分解し、油を塗ったりしていた。
「……お前慣れてるのか?」
『いや?全然』
「手際いいと思うがな……」
『まあ、多少は、そりゃあ、な。他の人間よりは慣れてはいるだろうが』
「お前の元居た世界も関係あるのか?」
『……まあな』
「そうか」
『空砲一発とはいえ、射撃したんだからちゃんと手入れしなきゃな』
組むか、と呟いた來の手元を覗き込む。
「部品小さいな」
『ん、向きとかバネ入れる穴とか間違えると大変なことになる』
「あぶねえ」
『これを発明した人のすごさが分かるよな』
カチャカチャと作動点検をすると來はホルスターに収めた。
オビトは來の太ももを見ながら言った。
「少し休憩でもするか?」
『そうしようかな』
「コーヒーでいいか」
『ありがとう』
「ふん」
來は伸びをすると目を開いた。オビトが目の前に居た。
『……驚かせるな』
「そんなにいちいちびくんびくんするな」
『待てそんな音だけ聞くと卑猥な驚き方してないぞ』
「そう照れること無いだろう」
『照れてねえよ引いてるんだよ』
「まあ冗談はさておき」
『冗談に聞こえなかったが』
「ほら、カフェオレだ」
『ありがとう』
「お前紅茶はそのままの癖にコーヒーはブラック飲めないのか」
『あまり得意じゃない。時間潰しが目的なら、飲むけどな』
「分からん奴だな」
ふうふうと冷ましながらカップに口をつける來をオビトはガン見する。
『……熱い』
「氷でもいるか?」
『いや、少し冷ましてから飲む』
「ちょっと舌出せ」
『!?何でだ!』
「舌先が火傷したかもしれんだろう。オレが治してやる」
『こっ、断る!馬鹿なこと言うな!』
「少しは甘えたらどうだ?」
『それとこれとは何か違うだろうが』
「そうか」
オビトはブラックコーヒーを飲む。
「……男が」
『ん?』
「男が……何かをやるのにはちゃんとした意味がある」
『急にどうした?』
意味を計りかねた來がカフェオレに再挑戦している様子を見つめながらオビトは言う。
「……別に、何でもない」
『??……何か怒ってるか?』
「怒ってない。……ただ」
來はオビトの顔を見つめる。
「……お前はもう少し……男心を警戒した方がいいと、思う」
『そんなもの分からん』
「分からないからと放っておくのはよくないだろう」
『それはそうだが……そんな、恋愛に関する感情やら心理状態やらは理解ができない』
「じゃあ」
オビトはカップを机に置くと座り直した。
「これでも、……分からないのか?」
來もカップを机に置くとしばらくオビトの目を見つめた。
『……は……?』
戸惑ったように溢した言葉にオビトは近づくと來は後ろに下がった。
『な、に』
來の背中がトン、と壁についた。
オビトは來の腕を取った。
「……これでも」
オビトは距離を保ったまま、來の目を見つめる。
「これでも、まだ……オレの気持ちが、わからないか?」
その言葉に來の顔は驚きや戸惑いから怒る5秒前に変わった。
『わからないか?だと……何も言わないくせにわからないもクソも無いだろう。近い』
「……なら、まだ分からなくてもいいが。ドキドキしたり、してはくれないのか?」
雰囲気を一転させ、子犬のようにショボくれるオビトにまた來は戸惑った。
『な、何なんだ……?』
「……オレを、……その……」
オビトは視線を反らしながら瞬きを繰り返す。
『?』
「……ぅ……な、何でもない!」
『?そうか……顔赤いぞ?大丈夫か?』
「うるせえ。……オレが他の女と話してるの見てたなら何かしら嫌がってくれてもいいだろう」
『嫌がる?私が?何故』
「……。」
『?どうかしたか?』
「もういい!オレ女遊び行ってくる!」
『何がどうしてそうなった!おい!?』




☆次回!
・來、激おこ
・オビト、ゲイバーに行く
・鬼鮫、フカヒレスープになる
の三本立てです!お楽しみに☆
「『「いや、ねえよ!?」』」
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