shadow in the dark


□魔法と忍術
1ページ/2ページ

『…む』
凛音が読んでいる本にはチャクラのことが書かれていた。
『…………………』
読み進めていくうちにふと思った。
(わたしは…忍術が使えないのに…何故この世界に来たんだ…?)
沢山の疑問が浮かぶ。
(どうやってこの世界に来たんだ?わたしとこの世界との繋がりは何だ?わたしは何故忍ではなくヴァンパイアなんだ?)
そして一番の疑問は
(何故…わたしはトビをあれほど信用し…気に入っている?)
トビの血を初めて吸ったあの日に感じた…まるで自分がトビのことを信用できると感じた、と同時にずっと前から知っていたような…不思議な感覚を思い出す。
(あの感覚は…何を表している?)
目を閉じ、しばらく考える。
というか今の自分に必要そうな知識を探す。
そして
(…そういえば…ヴァンパイアは…前世で何かをやり残した人間の魂が変化したものではなかったか…?)
そっと目を開く。
そしてある考えに辿り着いた。
(もしかしたら…わたしの前世は…トビに関係して…16年前に死んだ…この世界の人間なのか…?)
人は死ぬと一瞬だけ空に登ってから前世が死んだとほとんど同じ時間に生まれた人間に移り今世として生きるらしい、という話を聞いたことがある。
『…本当にそうなんだろうか』
実際、こんなことがわかるのは死んだ人しかいない。
また本を読み始める。
(きっと…もしそれが本当だったら…わたしが死んだのと同じように死にかけたら…思い出すかもな…)
ふっと笑って一瞬だけ、ヴァンパイアで良かったかもな、と思った。
次の本には医療忍術について書かれていた。
『…!!』
(これは…)
そのページには少し難しいが傷を治す医療忍術が書かれていた。
(…これならみんなの役に立てるかもしれない)
簡単であっても攻撃しかしない暁のメンバーにはあった方がいいような気がする。
それに暁のメンバーの中で回復できるのは自動回復の凛音しかいない…つまり凛音以外は傷だらけになってしまう筈だ。
『…よし、これをできるようにしよう』
医療忍術を使う為にはチャクラを練らなければならない。
(…トビに教えてもらお)
ちょこちょことさっきの本と今読んでいた本をホルダーに入れてトビの部屋へと向かった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ