I'm phantom.

□恐怖
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痛「…その…なんだ、昨日はすまなかった」
『そんな心にもないこと言わないで下さいよー』
痛「…せっかく俺が謝ってるっていうのに…!」
『僕もちょっとリーダーに言い返したりしちゃったんでおあいこじゃないですか?』
痛「そう…か…?」
『別に僕気にしてませんし。とりあえずまた今日も任務あるからわざわざ来てくれたんですよね?』
痛「…当たってる…」
『勘はいいんですよ!それでどんな内容なんですか?』
痛「里の見張りだ」
『はーい』
痛「…じゃあな」
パタン
痛「(…戦闘じゃないのに何であんなに張り切れるんだ…)」





『トビ先輩、行けます?』
鳶「もちろんッス!」
『じゃあ行きましょっか!』
帯「(…こいつ…一体何を隠してるんだ…?それと何で昨日のことを責めない?)」
『トビ先輩?』
鳶「…何すか?」
『何か心ここに在らずって感じだったんでちょっと…』
鳶「そうッスか?」
『何か悩んでます?僕で良かったら聞きますけど』
鳶「いやー…(…なんかこいつうざいけど…案外いい奴なのか?)じゃあ…」
『はい』
鳶「…昨日、リーダーに殴られたりしましたよね?何であの時僕に頼んなかったんスか」
『え?だってリーダーは僕に怒ってたんですもん。わざわざリーダーに殴られる人増やさなくていいじゃないですか』
鳶「…じゃあ何で飛段さんを庇ったんですか」
『ただでさえ怪我してるのに暴力を振るうリーダーが嫌だったからです』
鳶「飛段さんに拒まれたのにですか」
『飛段先輩、強がってたんですよ…絶対痛いのに。自分より弱い奴に庇われるの嫌ですし。でも、だからといって飛段先輩をむざむざと見捨てる訳にはいかないじゃないですか』
鳶「そうッスけど…」
『僕、目の前で苦しんでる人がいたら…助けたいんですよね…ま、人にもよるんですけどね?』
鳶「…じゃあ何で暁に入ったんスか?」
『単純に入ってほしいって言われたからですよ』
鳶「でも暁は…」
『犯罪者集団。わかってますよ、それぐらい。でも暁は一人でいた僕に場所を与えてくれた』
鳶「へ?(一人でいた?)」
『必要とされたら…例えどんな人だとしても、その人の方についていっちゃうのと同じですよ』
鳶「…そうッスかね…(…わからないな、こいつ)」
その時だった。
『先輩』
鳶「はい?…って…」
一瞬、トビの仮面の穴を手で塞ぎ、クナイを背で受け止めた。
手を離し、
『敵襲みたいです』
と告げた。
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