It's impossible!!√O

□let's shopping!
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遊園地から戻って夕食を食べながらリーダーが言った。
「最終日の明日、どこか行きたいところはあるか?」
『うーん……?』
「はい!アウトレットモールに行きたいッス!」
「あうとれっともーる?」
「商品に欠陥があったりしてお店に並べられない商品を安く買うことができるんです」
「なるほど……いいんじゃないか?」
「じゃあ決定でいいな?」
『「「「「「「「はーい」」」」」」」』
「風呂行ってさっさと寝るぞー」





『いい湯ですね……』
「そうね……あなた、傷多いのね」
『あぁ、まあ……多少、他の女性と比べると、そうですね』
「もうちょっと自分を大切にしてね」
『よく言われます。けど自分でしたくてした訳ではないですし、結構自分贔屓にしてるとこありますよ』
「そう?」
『ええ』
もっとも、左手に関してはスルーさせてもらうが。
二人で温泉に浸かっているときに思わずため息が漏れてしまった。
「どうしたの?」
『いや、だって……小南さん、凄くスタイルがいいのにわたし……あの……並んでるのが恥ずかしいです……』
「わたしだって望んでこんな身体じゃないのよ?」
『そうはいっても……』
「きっとそのうち……ね?」
『ははっ……そうなればいいですね……まあ成長期……終わったんですけどね……』
「……いくつだっけ」
『今年で25になりますね』
「……大丈夫、大丈夫だから」
『いやぶっちゃけそこまで気にしてないんで……はい……』
≪一方その頃≫
「なんつー会話してんだ!?」
「……どう考えても……」
「胸……だよなぁ……」
男性浴場では暁メンバーが女性浴場との仕切りの前でわたし達の会話を聞いていた……ってコラ!
ちなみに鬼鮫、デイダラなどは顔を赤らめて耳を塞いでいる。
「來の奴……相当貧nゲホン、胸のこと、気にしてたからな……」
おう今貧乳って言おうとしたな、こら。
生憎今のわたしはナレーションだから何もできないんだけど。
もちろん、あるっちゃあるんだよ?
他の人よりも小さいってだけなんだよ?
「胸を大きくする方法って言ったら」
「「「「「「男に揉んでもらう、だろ」」」」」」

(・_・)


▂▅▇█▓▒('ω')▒▓█▇▅▂うわあぁぁぁぁぁあ!!!!!!
何だこいつら最低。まあそんなもんか。
しかしこの時みんなは気づいていなかった。
『「……」』
女性浴場からの声が消えていることに。
『……小南さん』
「何?」
『もう出ますわ……』
「……うん。暁なんてほとんどが男だから下ネタ飛び交うんだから早く慣れないとダメよ」
『いや、それに関してはだいぶ慣れてるほうなんで。大丈夫ですよ』
「あ、そう(慣れてるの?)」
『ていうかまだマシですよ、男性特有のこと直に言われてないだけ。わたしのことなら面と向かって言ってくれたらいいのに』
「來、殺気。殺気出てる」
『あはっ☆じゃあお先に失礼します』





『ちっ、んだよ……控えめの何が悪いんだよ……』
ムスッとしながら部屋のドアを開けるとそのまま布団に突っ込んだ。
浴衣が少し乱れたけどまだ男性陣が到着していないのでやりたい放題だ。
ちなみに布団敷いてたけど結構床が痛かった。
あ、やばい。
今凄く障子の紙破りたい。
もちろんそんなことしないけど。
とその時。
「ただいまッス!」
「いや居ねぇよ……」
『うぇーいっ!?』
あまりに早いお帰りに慌てて浴衣を直す。
「あ……居たのか」
『お、お帰りなさい』
「あれ、小南さんは?」
『まだ入ってます』
「そうか」
『他の男性陣は?』
「同じだ」
『そうですか……』
やばい……さっきの一件で男性にいつもより警戒心を持ってる。
「どうしたんスか?そんなに身体をこわばらせて?」
『な、何でもないです……』
トビがこちらを振り返る。
今は、あの仮面がとても不気味に見える。
「いや、なんか顔赤いッスよ?のぼせたんじゃないッスか?」
『のぼせてなんか、無いです……』
なんなんだ。
何かの罠にでもかかったのか。
身体が、熱い、気がする。
トビが一歩、二歩とわたしに足を進める度に、わたしも一歩、二歩と後ずさる。
「え……ちょっと、何で逃げるんスか?」
『何でもないのに先輩が来るからです!』
困惑しているのはトビだけではなくわたしもである。
わたしは、一体何をしているんだ。
「顔真っ赤なんで確かめようとしてるだけッスよ?」
リーダーがそういえば居ない。
ってことはこの部屋に二人きり!?
いつのまにか距離はなくなっていた。
腕が捕まれトビが仮面を近づけた。
「逃げないで」
『!』
思わず何かが溢れそうになる。
純粋な悲しさと、捕まえた、という何かが隠された言葉。
それに対する、慈愛と恐怖。
ちょ、誰か!気まずい!
なんなの、本当に……!
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