It's impossible!!√O

□You don't have to cry any more.
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『ぐすっ……ぐすっ……』
どうにか泣き止んだ昔のわたしの頭をチビトが撫でている。
「だいじょーぶ?」
『だいじょーぶ……』
「……とりあえず説明を聞こうか」
「つったって別に話せることなんざ限られる。廊下の方からそこのちっこいののマンマコールが聞こえたから見に行って保護したってこった」
「とりあえず落ち着いたみたいで良かったです」
『ここ、どこ、なんですか』
「(敬語……だと……)」
『ここはね、……お母さんと弟の真くんがおでかけするから來ちゃんを預かったところだよ』
『そう、なんですか?』
「ねぇ、なんでうそつくの?(ぼそぼそ」
「……一旦落ち着いて預けられてもらわないと困るからな(ぼそぼそ」
「そっかあ(ぼそぼそ」
『じゃあ、せんせいなの?』
『今まで來ちゃんは寝ていたからね。鬼鮫』
「は、はい」
『チビトとオビトたちと一緒にちょっと出かけてくるから。頼んでいい?』
「えっ」
『……アジトの留守のことだよ』
「あ、もちろんです。(びっくりした……)」
『あ、來ちゃんも一緒に出かける?』
『う、うん!』
『そう来なくっちゃな!という訳でよろしく』
「は、はい」
『でかける、ってどこにいくんですか?』
『おさんぽだよ』
「オレも一緒だ」
「急に出てくんな」
『頼りにしてるよ』
「いつになく素直な來可愛すぎか」
『おねえさんも來なの?』
『うん。何か考えてるなら言っておいた方がいいよ。怒ったりしないから』
『もしかしてみらいのわたしだったりして、っておもいました』
『ピンポーン大正解』
『えへへ』
「……随分とあっさり受け入れたな」
『おねえさんもおにいさんもやさしいから。しんじるよ』
「だとさ、チビ」
「チビっていうなぁ!」
『おにいさん、おなまえは?』
「ぼく、オビト!」
「オレは……その……」
「あのおじさんがみらいのぼくなんだって」
『そうなんだ。きょうはそんなことがおこりやすいひなのかな……そこのかたは?』
「オレは保護者のマダラだ」
『よろしくおねがいします』
「……めっちゃ素直」
「何がどうしてこうなった」
『やかましい』
「ぼくたちね、こいびとなんだってー」
『そうなんだ!よろしくね』
『さて、そろそろ行こうか』







≪木の葉到着≫
『わたし、ちがうせかいでもいきていけるんだね』
『……まあ、全然記憶なんて無かったから覚えてないんだろうけどね』
「そうなの?」
「あぁ」
「しかし不思議なこともあるもんだな」
『何かあるのかもね。用心しとこう』
「あれ、ここにあったおうちなくなってる……」
「あー……少し複雑な事情があってな。この里に来たのも久々なんだ」
「そうだったんだ」
『……あの……』
「どうした?」
『……すみません、その……えっと……』
ぐう、と小さく聞こえた。
昔のわたしの顔が赤くなる。
『お腹空いた?』
『ご、ごめんなさい……』
「謝ることじゃない。よし、団子でも食うか」
「おう!」
『そ、そんな……きをつかわないでください』
ぐう、と先ほどよりも大きく鳴るお腹に泣き出しそうになる昔のわたしの頭をポンポンと軽く叩く。
『!あの……』
『わたしらが空いとるの。ちょっと付き合って?』
『……ほんとにいいんですか?』
『大丈夫、気にしないの』
『はい……』
「じゃあぼく、いちごだいふく!」
「お前よくそんなの食うな……オレはみたらし」
「オレもいちご大福」
「オビトお前……」
「なんだ、その変な目は」
「いや、何でもない……來は?」
『わたし、……みたらしだんごで』
『わたしはー……豆大福でいいや』
『え、おまめさんぎらいこくふくしたんですか?』
『してないけど豆大福ならいける』
「じゃあ、注文を頼む」
マダラが注文を頼むとわたしは昔のわたしに話しかけた。
『あのさ。わたし、未来のあなた自身だからさ。遠慮とかしないでいいんだよ?遠慮されるとこっちが悲しくなるから。ね?』
『……はい』
『うし。ちゃんと食えよー』
「ねえねえ」
「なんだ?」
「來ねえちゃんって、どんなひと?やさしい?あ、リンは?」
「來は……優しいぞ。可愛くて強くて。……色んなことがあって複雑に拗れたオレを好きだと言ってくれた。オレも好きになった」
「そっかあ……」
『オビトくん、あまりきかないほうがいいよ。たのしみにしておこう?』
「そうだな!」
『天使かよ』
「お待たせしました」
『……おいしそう……』
『いただきまーす!あ、少し食べる?』
『え、でもわたしおまめさんあんまり……』
『いいから。ちょっとかじってみ』
『……。おいしい、です』
『お、そっか!』
「いちごだいふくうまー」
「うむ」
「また来ようかな」
『天使かよ』
「いやあ可愛いなあ」
『……。』
「……?來?どうした、ぼーっとして」
『あ……あぁ、いや……何でも、ない』
「なんだ、今の來も十分可愛いぞ?」
『いやあやっぱり小さい頃のわたし可愛いわあ、小さい子どもって何でこんなに癒されるんだろうねー』
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