It's impossible!!√O

□I'm feeling alive
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『……』
わたしは黙ってアジトの玄関で靴を履いていた。
最近は今までよりも狙われる回数が増えたから、元手錠、今は鎖つきグリップも欠かせない。
いってきます、と小さく呟いてアジトを出る。
向かうは、木の葉隠れの里。







≪木の葉到着≫
「毎度ありー!」
『ふふふ……いちご大福……』
昨日は思わず虚勢を張って頼めなかったいちご大福を買った。
オビトもチビトも買ってたから頼めなかった。二人とも天使かよ。
頭の中はいちご大福でいっぱいだ。
さっそく
『いただきます……!』
まぐまぐと食べてふへー、と綻ぶ顔をそのままにしているとふふっ、と笑い声が聞こえた。
『?』
「あぁ、ごめんなさい」
「ちょっと可愛かったから笑っちゃった」
『お、お恥ずかしいものを……』
まぐまぐ、ふへー、ふふっ。
またきょとん、としていると(さっきから擬態語多いな)その笑い声が明らかに聞き覚えのあるくくっ、という笑い声が重なり思わず固まった。
「よお、來」
『わあぁぁぁぁぁあ!?』
肩ポンからの耳元での低音ボイスである。
額をめがけて裏拳をすればゴン、と鈍い音。手の甲が痛い。
逃げようとすればトビの仮面を着けているオビトが腕を回して捕まえた。
「おい逃げんな」
『逃げるよそりゃ!な、何でいるの!?』
「それはこっちの台詞だ。何でオレに黙ってこんなところまで来た」
『置き手紙しといたでしょ!だから何でここがわかったの?てか嫌がってたからオビトには黙ってたのに!』
「オビト?今オビトってあなた……」
不意に聞こえた先程の女性二人の声に今度はオビトが固まった。
「うちはオビト?」
「……詰んだな」
『ドンマイ』
「だから嫌だったんだよ」
『そもそも何でここがわかったの、ほんと不思議』
「……黙秘権を行使する」
「ちょ、紅!カカシ呼んできて!」
「ちっ、ずらかるぞ!」
『あぁぁぁぁぁ』
オビトは手を引いて人だかりに紛れた。
恐らく術を使いたくなかったのだろう。
「ちっ……お前の不注意だぞ」
『う……ごめんね』
「……まあいい。元々木の葉に来たのだから、と覚悟はしていた」
『……』
「……お前いちご大福の白い粉口についてるぞ」
『え、ほんと?』
ごしごし擦ると違う、ここ、と拭ってくれた。
『……オビトが拭く時間もくれなかったのが悪い』
「そう仏頂面になるな。あの無防備な顔だってオレにだけ見せていればいいものを」
『……やっぱ見られたか』
「悪いが保存済みだ」
『そういう奴だよね、うん、わかってた』
「で?どこか行きたいところあるのか?」
『……木の葉来たら回りたいところはたくさんあるんだよね。ラーメン食べたいし、火影岩も見たいし、……』
ほんとはお墓参りだってしたかった。
オビトといると行けないから。
「……それならオレも寄りたいところがある。付き合え」
『もう付き合ってるけど』
「……!いや、それはそうだがこれは」
『その用事にでしょ?わかってるよ』
ニヤニヤと笑えばこめかみグリグリを食らった。
『あでででで!』
「……いいから付き合え」
『わかってますって!』
「ふん、生意気な奴だ」
『で?どこ行くの?』
「先ず花だな」
『花?お花のこと?』
花持ってるとこ想像できないんだけど、と言えば無言で頭上に拳が振り落とされた。
『いっ……てえなあ……!』
「お前ほんと失礼なこと言うよな。オレを何だと思ってる」
『……一言では説明できないな』
「その答えは意外だな。とにかく行くぞ」
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