It's impossible!!√O

□I'm feeling alive
2ページ/4ページ

白ユリを手に持つ。
『……。』
白ユリ、というチョイスにまさか、という思いから口をつぐんでしまう。
たしかにわたしは白ユリが好きだけれど、明らかに違う目的がある。
その証拠にオビトは歩いていっている。
『……オビト……』
小さく名前を呼べば手を引かれた。
「……」
『……一緒に、歩いて』
「……悪かった。少し歩調が早かったな」
『ちょっとね。……隣を歩かせてよ』
「……あぁ」
森を抜けると墓石が見えた。
あぁ、
『(やっぱり……。)』
オビトはそのまま歩く。
一点、控えめに佇むその墓石を見つめて歩く。
その墓石の前にそっと白ユリを横たえる。
わたしはお墓に手を合わせた。
『(……はじめまして、リンちゃん。わたしは來です。オビトと付き合わせてもらってます。……オビトのこと、幸せにします。だから、どうかオビトのこと、……見守ってはくれないかな。わたしはまだ弱いから守りきれる自信なんてないから、オビトを幸せにする後押しをしてくれたら嬉しいかも。最後まで頼りっぱなしでごめんね。わたしにできることは全部するつもりだけど。……とにかく、オビトのこと、見守っててはくれないかな)』
そう心の中で祈る。
こんなに頼りっぱなしで申し訳ないけれど、わたしがリンちゃんに伝えられることはこれぐらいだ。
少しでもリンちゃんに伝わってくれたらいいのに。
嘆願にも近い願いを吐露していれば涙が溢れた。
いつまでもこんなんじゃダメなのに。
涙を振り落とすと目を開く。
「……何でお前が泣くんだ」
『わかんない』
オビトはため息をついてわたしの頭を撫でた。
「……お前は本当に、どこまで……泣き虫なんだ」
『ごめんね』
泣き笑いをしていれば後ろから
「……ここにいたのか」
「『!』」
振り返ればカカシの姿があった。
「……」
「……本当にオビトなのか?」
「……そうだと言えば、お前はどうする?」
『!』
否定、しないんだ。
オビトは自分を認めてる。
わたしとの事で色々、変わってるんだ。
それは物語の進行の話だけじゃなくて、人の性格まで変えている。
「生きていたなら、何故今まで……!」
「……お前の知ってるオレはすでに居ない。オレはお前の知ってるオレではない。……だから帰ってなど来なかった。それだけだ」
「どういうことだ……?」
『あー……デリケートな話になるのであまり深く突っ込まないでもらえます?』
「……誰?」
『えっと、來です。オビトの部k「嫁だ」お、おう……』
「……たしかに色々あったみたいだね」
『……話したいことあるなら二人で話すといいんじゃないかな?その辺りは任せるけど。オビトはどうしたい?』
「……さて、どうするか」
「オレはなるべく訊きたいんだけど」
『だそうだけど』
「……わかった。お前も一緒な」
『はいはい』
「少し移動するぞ。来い」
神威空間に引きずり込まれる。
「ここは……」
「オレの空間だ。あまり気にするな」
『いや気にするよそりゃ』
「……まあ話だけでも聞こうじゃないの」
「お前何でそんな上から目線なんだよ腹立つな」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ