It's impossible!!√O

□I'm feeling alive
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「……なるほどねえ……そんなこと……」
カカシは一通りの話を聞き終わり、神威空間から出すとため息をついた。
「……ま、オビトが生きていてくれたのは良かったよ。……でも暁に入ってることには納得できない」
『それはそうかもしれないけど……』
「案外悪くはないぞ」
「そういう意味じゃない。暁に入ってるんだったら何で木の葉に来たんだ」
「犯罪者だからって里帰りしたら駄目か?」
「捕まるだろ」
「それは言えるが。……今回は來の要望でちょっと観光に来ただけだ」
『まあそういう感じで……木の葉に危害を与える為に来たんじゃないんで大丈夫。あ、これから先もそんなつもりはない』
「來の言う通りだ。暁なんて今じゃただの抜け忍集団になっているだけだしな……訳あり傭兵集団と言っても過言ではない。安心しろ、危害を加える気はない」
ははは、と朗らかに笑うオビト。
楽しそうに笑ってるその顔を見るとやっぱり幸せな気持ちになる。
「……(嘘を吐いてる訳じゃなさそうだ)……わかった。このことは秘密にしておく」
『ありがとうございます』
ぺこ、と頭を下げるとカカシがオビトに言った。
「……オビト、お前がこの子好きになったのってリンに似てるからだろ」
『え?』
オビトの顔を見ると慌てていた。
「いや、違っ、來自身が好きだ」
「あ、図星か」
『……どこもリンちゃんに似てないけどなあ』
「いや、気遣う部分が同じだ。さっきだってリンと同じようなことを言った」
さっき?
「……あぁ、言われてみれば……」
あ、二人の口論を止めたところかな。
「オビト……」
「リンのことなら気にしなくていい。……わかっている」
『……』
オビト……大丈夫なのかな。
すごく強がってるみたい。
「そうか……あ!もうこんな時間か!?」
カカシが時計を見上げて慌てたように声をあげる。
「すまん!これから任務があるんだ!じゃあな!!」
ひゅっと瞬身の術をしてカカシは行ってしまった。
「……行っちまったな」
『うん。……オビト、大丈夫?』
「何がだ」
『無理してない?』
「してない。今のオレはお前が好きだ……リンは最期までカカシが好きだったんだからな。……オレが入る余地なんてなかった」
『……。』
そんなこと、ない。
わたしは知ってる。
リンちゃんはカカシだけじゃなくて、オビトのこともずっと見てたこと。
オビトのこと、好きだったんだよ。
リンちゃんのその想いがカカシに向けていたものと同じなのかとか、オビトの望むようなそういう感情だったのか……わたしにはわからないけど、それでも、リンちゃんはオビトのこと……。
オビトに伝えることはできないから、わたしは代わりにぎゅっと抱きしめた。
少しでもオビトに幸せになれるように、少しでもオビトが報われるように。
「リンにはちゃんと伝えた。カカシだけを想っていてくれ、と……」
『……きっと、伝わったよ。』
オビトの思い。
「それならいいんだが。……じゃあ飯食って帰るか」
『うん』
視界の隅に何かが過った気がした。
『(……わたしがオビトを守ってみせるよ)』
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