It's impossible!!√A

□雷霆
2ページ/6ページ

「來はコーヒーも飲むんだな」
角都がぼそ、と呟いた。
『あぁ……紅茶ももちろん好きだが、飲む回数はどうしてもコーヒーの方が多くなってしまうな』
「しかもちゃっかりブラックか……お前違いが解るのか?」
『ネ○カフェとブレ○ディの違いはおろか、そもそも味覚自体がほぼ機能していないが』
「えっ!?そうだったんですか!?」
驚いて声を上げたのは鬼鮫だ。
「だってあんな美味しい美味しいって……」
若干肩を落として言った鬼鮫に來は言った。
『いや、それは本当だ』
「でも……」
『また食べたいと思える味だから美味しいと言ってるんだ』
ぐびぐびとコーヒーを飲み干しコップをセットする。
「(道理で最近減るペースが早いわけだ……)……ほんとに、感じないんですか……」
『いや……なんというか、一応味がどうとか訊かれると首を傾げるが感触はあるぞ、もちろん……だけど……そう、"コーヒーが苦い"やら"生クリームやカスタードが甘い"というのはあまりよく分からない』
「お前それ人生を九割は損してるぞ」
「まあイタチから甘味をとったら、そりゃな」
『味に鈍感なだけで別に何も感じないという訳ではない。……ただあまりにも生クリームてんこ盛りの何やらとかは、ちょっと、キツいな。それでも頼んでしまうのは金銭的に辛いが』
「10円を笑う奴は10円に泣くぞ」
『お釣り出す人のこと考えると流石に申し訳なくなるよ、私だって』
「よくできた冗談だ」
『は、わかるか』
「いや、でも"かっら!?なんだこれ!?"とかこの前見かけないお菓子食べて言ってませんでした?」
『だから鈍感だって言っただろ。辛いのはわかる。……感じたものを言葉にするのが苦手なだけだ』
「炭酸は嫌いだったか」
『嫌いだ』
「……よくわからんな」
『私が逆に訊きたい』
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ