It's impossible!!√A

□再燃
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『交渉決裂、か』
グジャリ、と右の手の平で音が鳴った。
「ふん、1つもらってるぞ、馬鹿め」
マダラが既に渡されていたそれを眼孔に嵌めて來を見れば物凄く愉しそうに笑っていて思わず一瞬たじろいだ。
その瞬間、もう一度グジャリ、という音が來の左足から聞こえた。
『悪いな。そいつは偽物だ』
「〜っ!?!?」
マダラは來が退かした左足の踵があった位置にそれを見つけ何とも言えない悲鳴をあげた。
『もしかしたらわかってくれると思ったが……交渉決裂となれば致し方ないだろう?』
「きっ……貴っ様ぁぁぁあ!」
許さん!と突進してくるマダラに來はふざけ、人を嘲笑する表情を変えた。
無論、怖れなどではない。
しかし意外にもそれは無表情であった。
言うなれば、怒りかもしれないし、悲しみかもしれない。
大半の人は恐らく後方だと思うだろう、なぜなら來の目には涙が浮かんでいた。
十尾の人柱力になった六道仙人は神のように崇められた。
來の脳裏には息も絶え絶えのオビトの姿がいくつも駆け巡った。
『(許さんだと……それは私の台詞だ)』
來の左眼とマダラの左眼が幻術を掛け合う。
『(そういや、輪廻眼が無い状態では輪墓は出せない……もしかすると、またペイン六道の輪廻眼でもゼツに頼んで取ったりするかもな)……お前はここに居るべきじゃない』
「ほう?」
『ここは本来オビトだけの空間……私もお前も、ここに居るべきじゃない』
まずはここから……神威空間からマダラを移動させないと。
本物の眼は潰した……なら代用品しかない。
代用品はあくまで代用品だ、本物程の脅威はないはず。
神威空間からマダラを退かさない以上、オビトの神威のすり抜けのリスクが高くなって不利になる。
だから、マダラをここから退かすのが優先だ。
『オビトの眼を返せ』
「お前が本物のオレの眼を両眼返したら返してやる」
『無茶なことを言うな』
「返してやるものか!」
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